【うらたぬき】推しに恋する予定なんてなかったんです【あほの坂田。】 (ページ41)

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Cafe41 ページ41

「ご馳走様、美味しかった」

『お皿めっちゃ綺麗とか逆にビビるからやめろ』

「えぇ…」

数十分後食べ終わったようでお皿とカップを渡された

奥の厨房の方に行ってささっと洗い、ほかの食器と一緒に乾燥棚に置く

「外、暗いから送ってく」

『…じゃあ、ご行為に甘えて』

急いで着替えて裏口の鍵をかけ、彼方さんと共に外に出て、入口の鍵もしっかりとかける

歩いてる時も、特に何かを話すわけでもなくただ、歩いてるだけ

『ぁ、私の家ここです』

「……………………うそだろ……」

『え？』

「俺の家、すぐそこ」

彼方さんが指さした場所は＿＿

「斜め向かいじゃないですか？！？！」

「こんな近かったのに逆に21年間会わなかったのがすごいね…」

私も彼方さんも生まれた時からこの家に住んでる
え、ほんとにすごくない？1回も会わないんだよ？え？

「まぁ、衝撃の事実がわかったということで…」

『だね…じゃ、じゃあね、彼方さん』

「あ…待って」

自分の家の鍵を鞄から出して別れようとすると掴まれる腕

「…いただきます」ﾎﾞｿｯ

一瞬ほんとに一瞬だった

「じゃあね、A」

ばいばい、と手を振って彼方さんは家に帰った

バタン、というドアの音がしてはっと我に返る

『…キス、された…？』

唇に手を当てる

フニっとしたようなよく分からないけれど…なんか、柔らかい感触が当たってた

とりあえず家に駆け込み鍵を閉め、ずるっとドアにもたれかかる

…そう言えば私はそらるさんに年齢を教えただろうか…

さっき、はっきりと言われた

「21年間合わなかったのがすごいね」

って

Twitterでも、中学、高校、大学の時だって学生としか書いてない

近所に住んでたと言ってもいつから住んでたかなんてお互いさっきまで知らなかったはず

LINEだって年齢公開の設定してないし…

『…怖い』