きゅー ページ10
中村真人くん。最近4歳になったばかりである。
元気いっぱいで優しくて、みんなをまとめるのが上手であるため、友達がとても多い。
幼いがとても賢く、周りの空気を察することがある。
だがそれは、彼の家庭状況から来ていた。
彼の母親、中村真花さん。現在シングルマザーで、お仕事で忙しいにも関わらず幼稚園に入園させたのは、真人くんとの接触の機会を多くさせたかったかららしい。幸い彼女のご両親も協力して下さるおかげで今幸せに生活出来ているだとか。
真人くんの父親とは1年ほど前に離婚。原因は夫からの愛情の行き過ぎによるDVであった。そんな状況下で育ってきた真人くんは、空気感に敏感であるのだ。
言ってしまえば、真人くんからすれば心理的虐待にもあたるのだが、そこの所彼女、真花さんが強かった。真人くんを守り抜いて、離婚という勇気のある決断をした。
だからこそ、元気いっぱいで明るい笑顔の真花さんのいつもと違う様子に引っ掛かったのだ。
降園の時にでも声をかけてきちんとお話する場を設ければよかったと、後悔した。
そんな時、コナンくんが俺の服を引っ張った。
「そのお母さんが真人くんを捨てたってことはないの?」
「……可能性はゼロじゃない。それでも言ったでしょ?暴力まで受けていて辛い中、真人くんを1人で守りきったんだ。そんなお母さんが子どもを捨てると思う?
…俺は、思いたくない。」
「…………。」
園庭に向かう足を少し早めた。
そんな話題から目を背けるように。
*
「__そういう訳で出てきます。」
「えぇ、分かりました。」
「A先生もお気を付けて。」
「はい。ありがとうございます。
真人くん、もう少し待っててね。お母さん見つけて来るから。」
「うんっ」
幼稚園の先生に訳を話した。
コナンくんも着いてくるという話なので少し不安になりながらも彼を見つめる。
「えぇー!?コナンくんだけずるいですよ!」
「歩美たちも行く!」
「ダメだっつってんだろー?」
「ずりぃぞコナン!」
「は、灰原ぁ…」
「私は知らないわ。」
「くっそ〜…時間食ってらんねぇのに…」
説得で手こずっているのか。彼らに『邪魔』とも言えない。それでも行きたいのか。好奇心旺盛にも程がある。
俺は、彼に似た人を1人、知っている。
仕方が無いので、俺は彼らの間に入った。
「ごめんね、みんな。連れて行けるのはコナンくんだけなの。だから、みんなに先生からお願いしたいことがあるんだ!」
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瑠衣(プロフ) - 深夜さん» 拙作をご覧いただきありがとうございます。申し訳ないのですが、私の方ではトラブル回避のためそういった事は行っておりません。よってpixivでの投稿はご遠慮いただけると幸いです。ご理解の程よろしくお願いいたします。 (2022年11月28日 22時) (レス) id: 8996d6d5d2 (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣(プロフ) - ロシナンテ。さん» ご一読下さりありがとうございます。そ、それは……笑 名前が「なるみ」の方もいらっしゃいますものね、考えていませんでした……だいぶ個性的なお名前で素敵です笑 (2022年11月28日 22時) (レス) id: 8996d6d5d2 (このIDを非表示/違反報告)
深夜 - pixivで書いてもよろしいでしょうか?名前、タイトル変えます (2022年11月25日 12時) (レス) id: 880b7bddc6 (このIDを非表示/違反報告)
ロシナンテ。(プロフ) - 名前が成海だから名前がだいぶ面白いことに笑笑 (2022年11月24日 13時) (レス) @page1 id: 7c91679d8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠衣 | 作成日時:2022年11月18日 6時