じゅーなな ページ18
｢俺には、そうやって手当てしてくれる人がいなかった。｣
男性が話し始めたのは昔の話。
子どもの頃親から暴力を奮われていた。
それは最初からではなく、成長に連れ増えていった両親の喧嘩が原因の離婚から始まった。
核家族だったため家には片親と自分しか居ない空間で、奮われても助けてくれる人なんて居ない。助けを呼んでも誰も来ない。
痛む傷を奮った親が男性を手当することは無かった。
それを誰にも話せず、傷も隠して生活していると真花さんと出会い、真花さんは男性の古い傷に気付き手当てをしてくれた。言い換えれば、手当てをしてくれたのは真花さんだけだった。
けれど、真花さんを好きになっていけばいく程、自分から離れていく真花さんが脳裏に思い浮かぶ。真花さんは社交性があり明るく、周りを巻き込んで楽しくしてしまうタイプで、きっと真人くんはこの性格が遺伝したのだろうなと感じた。そんな真花さんも真人くんも友達と呼べる存在が多い。けれど男性にとっては真花さんと真人くんしかいない。
独りぼっちが過去の記憶を呼び起こし、自分から離れてしまう、それが怖くて嫌で、気付けば親と同じことをしてしまっていたと言う。
｢だから、本当は暴力を奮いたくないんだ……。
自分の親と同じになりたくなかった。けれど繋ぎ止める方法が、俺の家庭は普通じゃないからこれしか分からなかったんだ……。
周りの家と同じように子どもの成長に喜んで、プレゼントを買ったりして温かい家庭を築きたかった。なのに、出来ないんだよ……。｣
それが、男性の本音だった。
頭を抱えて、眉間に皺を寄せて苦しい声を漏らす。
こうした、子どもの頃に虐待を受けた子どもが大人になり家庭を持った時、自分の子どもやパートナーに暴力を奮ってしまうケースは多い。
けれど、この男性は真花さんからのお話だと真人くんには暴力を奮っていなかった気がする。多分それは、心のどこかで『駄目だ』ときちんとセーブしていたのではないだろうか。ただの憶測に過ぎないが、奮っていないことは事実だと思う。
｢この件に関して、仕方がないとは言えません。実際暴力的になってしまったことは事実ですし、その度にお2人は傷付いてきました。
けれど、あなたの悲しい気持ちや苦しい気持ち、辛かった経験も理解出来ます。｣
｢……理解だなんて。どうせ上っ面だけだろ。｣
遠くから警察と救急車のサイレンの音が聞こえた。
｢本当ですよ。
俺も似たような体験をしましたから。｣
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瑠衣(プロフ) - 深夜さん» 拙作をご覧いただきありがとうございます。申し訳ないのですが、私の方ではトラブル回避のためそういった事は行っておりません。よってpixivでの投稿はご遠慮いただけると幸いです。ご理解の程よろしくお願いいたします。 (2022年11月28日 22時) (
レス) id: 8996d6d5d2 (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣(プロフ) - ロシナンテ。さん» ご一読下さりありがとうございます。そ、それは……笑 名前が｢なるみ｣の方もいらっしゃいますものね、考えていませんでした……だいぶ個性的なお名前で素敵です笑 (2022年11月28日 22時) (レス) id: 8996d6d5d2 (このIDを非表示/違反報告)
深夜 - pixivで書いてもよろしいでしょうか？名前、タイトル変えます (2022年11月25日 12時) (レス) id: 880b7bddc6 (このIDを非表示/違反報告)
ロシナンテ。(プロフ) - 名前が成海だから名前がだいぶ面白いことに笑笑 (2022年11月24日 13時) (レス) @page1 id: 7c91679d8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠衣 | 作成日時：2022年11月18日 6時
