嫌いになんてなれなくて【黒○】【裏切り】 (ページ48)

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47話ページ48

私は首を切って、意識を失った

はずだった

意識は全然あるし、ハサミを持ってる感覚もある

それに…人の温もりを感じる

抱きしめられてる感じ

どういう事…？

もしかしたら夢なのかもしれない

黒「はぁ……はぁ………良かっ、た……間に合い、ました…」

貴「え…」

テツくん…？

嘘、何でここに…

黒「遅いからどうしたのかと思って来てみたんですが…まさか青峰君と赤司君の前で死のうとしてるとは思いませんでした」

貴「っ…ごめん、気付いたらあぁなってた」

黒「気付いたらで済む話じゃないでしょう！！何してるんですか！！…もう、壊れていくAさんは見たくないし、遠くにも行ってほしくないんです、！」

テツくんが怒った

こんなに取り乱してるテツくん、初めて見た

青「…赤司。こんなに自分を追いつめてる奴が、榊原を裏切り者にすると思うか？」

赤「…いいや、思わない。僕が全て間違ってた。Aは帝光時代から誰よりも仲間想いだった、そんな事するはずないとは思っていたが…受け入れたくなかったんだ。それがこんな状況を生み出してしまうなんて……本当にすまないA。僕の事は忘れてくれていい。嫌いになってもいい。一生恨んだっていい。それくらいの事を僕はしたんだ」

赤司君…

赤司君も、分かってくれた

良かった、戻ってきてくれたんだ

貴「いいの、分かってくれたなら…私こそ、何も話せなくてごめんなさい」

赤「君は何も悪くない！！」

貴「そう、かな？えへへ」

どっちが悪いとかもう無いよ

これで仲直り出来たんだから、全部チャラ

また昔みたいに、皆とバスケ出来る、かな？

黒「どこまでお人好しなんですか、全く……赤司君、青峰君。次またAさんを傷付けたら…今度こそは覚悟してください」

青、赤「おう/あぁ」

あぁ、良かった

これで、あの地獄は終わったんだ

さ、体育館へ帰ろう

せっかくの合宿なんだ

キツイだけの練習じゃなくて、もっと交流を深めるような練習がしたいな

その方がお互いのチームの事を知る事が出来るから情報収集が簡単だし

何より皆楽しいだろう

戻ったら監督に提案してみよう

黒「Aさん、ハサミを手放してください。そしてもう没収です」

ひょいっと私の手からハサミは消えた

もう当分凶器は持たないようにしようって決めた

テツくんを悲しませるような事だけは、絶対にしたくないから