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ー第10話ー ページ11

「…まふまふ」

「そらるさん、これって…」

「どうなっているんですか」と言おうとしたがそらるさんの声で遮られる。

「この世界はもうすぐ消える。きっと、ここで会ったことも忘れる。」

ここで会ったこと、

「それって、そらるさんのことも!ここでの思い出…も…」

あれ、思い出…

おもいで…?なにがあったんだっけ

いやだ!思い出せ、思い出せ、思い出せ…

「まふまふ…」

「大丈夫です、絶対忘れたりなんかしないから。」

大丈夫、大丈夫…

「まふまふ!」

そらるさんは僕を優しく、優しく抱きしめた。

前にもこんなことがあった気がするけど、もう思い出すことができない。

「無理して笑うな。」

そんなこと言ってるけど、そらるさん。

知ってるんです。

「そらるさんこそ、僕に内緒で泣かないでください。」

「…なんで知ってるんだよ。」

「だって、僕ら相棒でしょ?」

だから秘密にしてたって、隠れてたってわかるんです。

僕が泣いていたらそらるさんはすぐ慰めに来てくれる。

だったらそらるさんが泣いている時に慰めるのが僕なのは当たり前でしょ?

「僕の知らないところで泣かれると困ります。」

僕はそらるさんを抱きしめ返した。

きっと、眼が覚めたら今この時のことも、そらるさんの顔も忘れてしまう。

だけど、

「まふまふ。この世界が消えることを止められはしない。けど、眼が覚めた時絶対迎えにいく。忘れてもそれでもお前を探しにいくから。」

きっと、また出会える。

「その時、お前が泣いてたら怒るからな。」

「そらるさんこそ、嬉し泣きしないでくださいね。」

夜空の星が泣いて手を振るように落ちていく。

大丈夫、ちょっとの間お別れするだけだよ。

ねぇ、そらるさん。

「ーーーーーーー。」

その日、夢の世界は消えた。

ー第11話ー→←ー第9話ー



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瑞飴(プロフ) - 蒼空さん» ありがとうございます!!!出会った後ですか……。気が向いたら書いてみますね!!! (2018年6月23日 19時) (レス) id: 621dce32e3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空 - 感動しました…是非最後出会った時を見たかった…これからも頑張ってください (2018年6月23日 17時) (レス) id: 7afeae3c45 (このIDを非表示/違反報告)
瑞飴(プロフ) - 殿厨。さん» コメント!ありがとうございますっ!!そうなんですか!!泣いて、って泣いて!?え!?大丈夫ですか?! (2017年9月18日 22時) (レス) id: 621dce32e3 (このIDを非表示/違反報告)
殿厨。 - え、、、泣いちゃったよ、、、感動作だよ、、、 (2017年9月17日 19時) (レス) id: 3323326224 (このIDを非表示/違反報告)
瑞飴(プロフ) - えりさん» うわぁぁぁぁああああ!!ほんとですか!?嬉しいです!!ありがとうございますっ!!そうなんですか!!私も好きですw面白いと言って頂けて嬉しいです!ありがとうございました! (2017年9月9日 19時) (レス) id: 621dce32e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑞飴 x他1人 | 作成日時:2017年8月27日 23時

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