喫煙。 ページ9
52.彼らが喫煙者だったら
加賀美の場合
「………あれ、Aさん」
人影に気付いたのか流し目でこちらを確認し、あなただと分かったとたんに灰皿に煙草を押し付ける。少年の面影はまるでなく、THE大人みたいな色気がダダ漏れ。ちなみに彼が喫煙者であることは知らなかったので、『ハヤトさん煙草吸ってたんだね』と聞いてみる。
「あー…そう、ですね。臭いが気になるかと思ってAさんの前では吸わないようにしていたのですが…具合悪くなったりしてませんか？」
優しさゆえの隠蔽行為だったのだけど、こっちにとっては新たな一面を知れたような感じで嬉しい。その場でギュッと抱きついてみれば、ほろ苦くも落ち着くような大人の香りがします。
剣持の場合
「…なんだ、貴方ですか。ビックリした」
誰にでも優しくて真面目な優等生、その正体は凶悪ヤンキーボーイ。校内でそのことを知っているのはあなただけで、彼も他の人に言うつもりは無いらしい。そんなところで特別感を感じてしまうのは惚れた弱味。
「僕のこんな姿を正す訳でもなく、ついには毎日会いに来る始末。…貴方、結構分かりやすいですよね笑」
自覚あります？なんて笑ってくるけど、それをわざわざ言う彼も大概。こちらの顔に煙を吹き掛けて去っていくなんてもう確信犯でしょう。
不破の場合
「…ありゃ、バレちゃったか」
キラキラ輝く夜の街、ネオンの光も届かないような路地裏にて彼を発見。一人になりたそうな雰囲気だったので気を使って立ち去ろうとしたのに、服の袖を掴んで「まってやぁ」と引き留められる。
「ははっ、会いに来てくれたんじゃないの？…優しいよなぁほんま、ありがとう」
彼は寂しさを紛らわすために煙草を吸うタイプ。わざわざ見つかりにくいところにいたのも、誰かが迎えに来てくれるのを待ってただけ。
甲斐田の場合
「……あ、煙草嫌？ちょっと待って」
怪訝な顔をすればすぐに察して火を消してくれる。臭いや副流煙が気になる訳ではなく、好きな人の寿命が削られていくのを見るのはなんとなく嫌だったから。自分も喫煙者なので言えたことではないが。
『いや、やめなくても…私も吸お』
「そう？じゃあ火あげる」
流れるようにシガーキス。一体どこで覚えたのやら。
煙草を始めた理由もどうせカッコつけたいからとかなのだろう、くだらないと思いつつもやはり顔が良いので見事に絵になっていて、悔しくも見とれてしまう。
…………………………
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2174人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
裏瀬(プロフ) - しきさん» ほぼ失踪状態だったにも関わらず待っていただきありがとうございます；；私からもビッグな愛を…💓💞 (3月14日 0時) (
レス) id: c64f404afb (このIDを非表示/違反報告)
しき(プロフ) - 更新ありがとうございます愛愛愛愛愛 (3月13日 17時) (レス) @page28 id: 3ca2ff76bf (このIDを非表示/違反報告)
裏瀬(プロフ) - リクエストここらで締め切らせていただきます！沢山沢山ありがとうございました！！ (2023年4月15日 23時) (レス) id: 0f6ec90c76 (このIDを非表示/違反報告)
裏瀬(プロフ) - 羅飴愛さん» 了解です、ありがとうございます！ (2023年4月11日 18時) (レス) id: 0f6ec90c76 (このIDを非表示/違反報告)
羅飴愛 - すいません、もう１つリクエストです。夢主が急にハイテンションになってギャルみたいになったっていう話書いてほしいです。 (2023年4月10日 0時) (レス) id: 8dfe21276f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：裏瀬 | 作成日時：2023年1月2日 22時
