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「そーいえばさ！」
丸付けをする私の手をじーっと見つめていたまふが、突然声をあげた。
『びっ……くりしたぁ。なに、どーかした？』
「今日先生がさ、進路考えとけ〜って言ってたじゃん？」
『言ってたね』
「Aはなんか考えてるのかなぁって」
『ん〜、進路か……』
進路の話をまふとしたのなんて、初めてかも。
進路。
中学三年生くらいから、先生たちによく言われる言葉のひとつ。
これと言った夢があるわけでも、したいことがあるわけでも、得意なことがあるわけでもない私は、そこまで真面目に考えたことがない。
とりあえず勉強しとけば困らないかな〜？くらいのノリで、今まで成績をキープしてる。
そのおかげで、こうしてまふと二人きりで勉強できてる。
…そのおかげ、ってのも変な感じするけど。
『私、なーんにも考えずにここの高校入ったから、大学のことなんてもっと考えてない』
「え、Aのことだからすっごい真面目に考えてると思ってた」
『まあまだ高１だし？』
「高２で文系と理系に別れちゃうけどね」
『……流れに身を任せるよ。そういうまふはどうすんの？』
「僕？」
『うん。夢とか、目標とかあるの？』
かちっ。
とん。
シャーペンの芯を中に入れて、まふは話す体制になる。
かちっ。
丸付けを終えた私も、赤ペンの先をしまう。
「…Aは、笑ったりしない？」
『まふの夢を？』
「うん」
『笑うわけないよ。人の夢を笑うなんてできないし、そもそもしない』
「どれだけ無謀な夢でも？」
『夢ってそういうもんでしょ』
「そういうもん、か…はは。Aは考え方がおとなだね」
不安に揺れる、ふたつの目。
まっすぐに私を捉えてくれる、漆黒の瞳。
何度見ても、私はこの目が誰の目よりも好き。
『そんなことないよ。何にもないから言えるだけ』
「そうなのかなぁ…」
『で、まふの夢って？』
「僕の夢はね、」
「音楽で、人を笑顔にすること。僕のこの声と、言葉で」
未来をまっすぐに見据えたまふの顔は綺麗で、儚くて、何よりも輝いて見えた。
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翡翠琥珀(プロフ) - 四つ葉＠甘エビ食べたいさん» え、ありがとうございます(泣)作者は夜行性なので深夜更新多めですが、このままだとわりと長引きそうなので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです！ (2020年8月16日 22時) (
レス) id: 6d037e75db (このIDを非表示/違反報告)
四つ葉＠甘エビ食べたい - コメント失礼します！凄く良い作品です！作者様が大丈夫でしたらどんどん長編にしてほしいです！体調とかに気をつけて更新頑張ってください！応援してます！ (2020年8月16日 19時) (レス) id: 4ad016d14c (このIDを非表示/違反報告)
翡翠琥珀(プロフ) - 月さん» 私もそれ思います……てかAtRがどっちもかわいい…ありがとうございます！ (2020年8月16日 16時) (レス) id: 6d037e75db (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - そらるさんかわいいなぁ！？私に女子力くれよ！！(((って思いました← どうなっていくか想像できないから楽しみにしてますね！ (2020年8月16日 9時) (レス) id: 91209592d1 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - 翡翠琥珀さん» 一緒に泣いてくれるなんて心強いっっ！！(←何言ってんだ) (2020年8月12日 23時) (レス) id: 91209592d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠琥珀 | 作者ホームページ：いつか作ります。いつか。
作成日時：2020年7月21日 15時
