じゅういち ページ11
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『ねえまふ』
「ん?」
『私の話ばっかりじゃつまんないし、まふの恋バナとか聞きたい』
「え"」
綺麗な顔の眉間に思いっきりしわを寄せる。
なんなんだ。
さっきまであんなに暗い顔をしてたのに、今じゃすっかりいつもの嫌がってるときのまふだ。
ほんと、男子ってふしぎ。
「いや、僕は特にないっていうか」
もうこのまま、勢いで聞いてしまおうか。
…さすがに全部は言えないけれど。
『好きな人いるでしょ』
私がはっきりそう告げると、力ない様子でこくり、と頷いた。
「…うん。いるよ、好きな人」
どくん、どくん。
ちく、ちく、ちく。
血流が早くなって、血管が圧迫されてる感じがする。
小さい針のようなもので、私の心臓をチクチクと刺しているみたいな痛みもあった。
___いるよ、好きな人。
いつもなら、心地よくて大好きな声なのに、その言葉が私の頭を巡る度に胸が苦しくなって、制服の裾をぎゅっと握った。
いつになく真剣な声色に、本気で好きということが痛いほど分かった。
『まあ男子高校生だもんね。恋愛のひとつやふたつしたいかぁ』
「これでも男の子なんで」
『弱っちいくせに』
「ちょ、今の傷付いた!」
『あ、もう家だからここでいいよ』
「自由だ…またね、A」
『うん。また明日』
私はささっと家に入った。
まふは私が家に入るまで、こちらに背を向けないから。
部屋に入っても思い出されるのは先程の会話。
好きな人がいる。
それだけで私はこんなにも学校生活が楽しくなったのに、好きな人の好きな人、となると……
覚悟はしてたつもりだけど、やっぱり辛いな。
なんとなく飲んだオレンジジュースは、甘くて酸っぱくて、恋の味がした。
今日はもう、何も食べたくないや。
そう思いベッドに体重をかけると、いつの間にか深い眠りについていた。
____
コメントしてくださったみなさん、本当にありがとうございます…!
めっちゃ嬉しかったです。
これからもたくさんのコメント、待ってます◎
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翡翠琥珀(プロフ) - 四つ葉@甘エビ食べたいさん» え、ありがとうございます(泣)作者は夜行性なので深夜更新多めですが、このままだとわりと長引きそうなので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです! (2020年8月16日 22時) (レス) id: 6d037e75db (このIDを非表示/違反報告)
四つ葉@甘エビ食べたい - コメント失礼します!凄く良い作品です!作者様が大丈夫でしたらどんどん長編にしてほしいです!体調とかに気をつけて更新頑張ってください!応援してます! (2020年8月16日 19時) (レス) id: 4ad016d14c (このIDを非表示/違反報告)
翡翠琥珀(プロフ) - 月さん» 私もそれ思います……てかAtRがどっちもかわいい…ありがとうございます! (2020年8月16日 16時) (レス) id: 6d037e75db (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - そらるさんかわいいなぁ!?私に女子力くれよ!!(((って思いました← どうなっていくか想像できないから楽しみにしてますね! (2020年8月16日 9時) (レス) id: 91209592d1 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - 翡翠琥珀さん» 一緒に泣いてくれるなんて心強いっっ!!(←何言ってんだ) (2020年8月12日 23時) (レス) id: 91209592d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翡翠琥珀 | 作者ホームページ:いつか作ります。いつか。
作成日時:2020年7月21日 15時