姐ゴリラ系眠り姫 (ページ23)

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小さな楽しみページ23

そう言われてしまったら何も言い返せない…

すると彼女は何かを持って来た

「これは…」

『あ、もしかして嫌いだった?』

差し出されたのは真っ赤な苺のタルトだった

「いや…嫌いじゃないよ、むしろ好きさ」

そう言えば彼女は目を細めてそれは良かったと言った。

『何か飲む?好きなのは?』

ミルクティーと答えればすぐに用意すると言ってキッチンへ去って行った

最近は寮長になってこうして休むことも無かったな…

『はい、ミルクティー。どうよ、私が作った苺のタルトは』

このタルトは彼女が作ったのか…

ミルクティーもとても美味しい

「トレイ程じゃ無いけど美味しいよ」

と言うと彼女は少し頬を膨らませ

『ちょ、トレイ先輩はズルくない?あんなの勝てねぇしィ』

と拗ねたように言った。それが先程の彼女とは違って幼く感じ、つい笑ってしまった

すると彼女はやっと笑ったと言った。

『聞いたよ、寮長になったんだって?休む暇とか無いって同じクラスのやつから聞いたよ』

「キミには関係の無い事だろう」

『んーまぁそうなんだけどさ、見るからにやつれてるのに誰も何も言わないじゃん?私はそれが嫌だっただけ』

そう言われて初めて僕がやつれていってることに気付いた

『女王にも休息は必要。いつでもここに来て休んでいいよ。美味しいお茶菓子も用意しよう。』

「それじゃあ来週の今日、また来ても良いかな…?」

と言うと、勿論!と花が舞うような笑顔で言った。その笑みに僕は惚れてしまったらしい。それから彼女を見る度僕は彼女の笑顔を思い出して少しの休息の時間を楽しみにした。勿論、苺のタルトとミルクティーを用意して貰って

それからというもの、彼女と会う機会は徐々に増えていった。

ある時には愚痴をこぼし、またある時には他愛も無い事を話した

そんな時間が僕にはとても楽しかった。