【ヒロアカ】わたしの視える色は (ページ7)

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荼毘side

「そうなんだ…」

最初は変わったヤツだと思った。

でも、カップ麺の作り方を忘れるとか、敵でしかもツギハギだらけの初対面の男を怖がないとことかを見てただの世間知らずだと思った。

それを馬鹿と伝えれば、少し嬉しそうにわらった。

普通の奴から見れば、こいつは変わってる奴なんだろう。

けど、俺の周りには死柄木やらトガやらトゥワイスやらと、こいつ以上の変わった奴はたくさんいる。

それからというものアイツは毎日のように俺に聞いてくる。

「私って変わってる??」

最初は鬱陶しくて無視してたが、俺が変わってないというまでこの質問は続く。

そして変わっていないといえば小さく笑う。

そんな日が続いた。

アイツはそれ以外には何も聞いてこなかった。

「私ね、カップラーメンの作り方覚えたんだ。荼毘の分も作ってあげるね。」

アイツは自慢げに言う。

買ってくるのは俺だろうが。しかもお湯沸かして入れるだけだろ。

そんなこんなで会話なんてあまりないせいか、不思議と居心地は思ってたより悪くなかった。

平和ボケでもしちまったか。俺に似合わない言葉だ。

情を抱いてはいけない。俺は敵で誘拐犯で、アイツは今回の駒だ。

『3日後に決定しました。』

「…あぁ、分かった」

連合からの電話で改めて実感した。

こんな日は長く続かない。そんなことは最初から分かりきっていることだから。