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イタチは、私を助けてくれた。
その上で彼は約束をしてくれた。
『必ず木ノ葉に連れて行く』って。
ナルトとも暮らせるように。
私は嘘が嫌い。
だからイタチを信じた。
すると、本当に木ノ葉に連れて来てくれた。
記憶にある木ノ葉は曖昧でしかなくて。
こんなんだったかな? なんて思う。
ちなみに今はなぜか交戦中です。
どういうことだってば。
私は鬼鮫の後ろに隠れている。
鬼鮫の体、大きいからね。
途中で来た白髪の人はなんだか記憶に……。
「……カカシ兄ちゃん?」
「!?」
ひょっこり。
私が顔を覗かせると、カカシ兄ちゃんはひどく驚いた顔をした。
ん。覚えているよ。
よく、抱っこしてもらった記憶がある。
「まさか……A……!?」
「取り引きだと、何回も言っているんですがね……」
カカシ兄ちゃんの驚きと、鬼鮫の言葉。
私はイタチの顔を見た。
彼は、ゆっくり口を開く。
「四代目の遺産と、かつて里が総力を上げて探した四代目の宝を交換しましょう。悪い話ではないでしょう」
「………………え?」
ひどく。私は裏切られた気がした。
だってそうだ。
そうすると、私はナルトと暮らせない。
「……イタチ。……嘘、ついたの? 私、嘘が嫌いだって言ったよね……!?」
チャクラを練って、鎖を出す。
鬼鮫に止められそうになるのを躱して、私は距離を置いた。
「言っていなかっただけだ」
「ナルトと暮らせるよう約束してくれた」
「……そうだな」
「嘘つき……」
嘘。
嘘は、嫌い。
父さんがついたから。
「帰ってくる」って、嘘をついたから。
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作者名:枯葉 | 作成日時:2022年5月29日 23時