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私の記憶にあるのは、赤い眼。
赤い、かなしい眼。
私に優しく触れながらも、私を憎む眼。
私を慈しむように見ながらも、隠せない憎悪。
その人に私は、あの日。
弟が産まれるのを待っていたあの日、攫われた。
ある日。
その人にいつ殺されるかわからなくて、怖くて逃げ出した。
そんな日に、あなたに会った。
赤い月の夜。
あの人と同じ眼で、泣いているあなたに。
あの人と同じ眼なのに、こわくない眼。
「……君は……」
驚いたような顔をした彼は、私をまじまじと見た。
彼は木ノ葉の額当てを持っていた。
木ノ葉の忍。
「ん。私は波風Aだよ。……あなたは、木ノ葉の忍? 木ノ葉はどっちかな?」
「………………俺は抜け忍だ」
「そっか」
「……驚かないのか?」
「あなたよりも父さんや母さん、弟が心配だからね」
「やはり君は、四代目の……」
「そう。父さん、火影なの」
「……四代目は……」
あなたは、語った。
父さんのこと。母さんのこと。
そして、弟………ナルトのこと。
「……なんで……」
父さんが愛した木ノ葉の里。
父さんが守った木ノ葉の里。
ナルトが守った里。
なのに、どうして。
どうして!?
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作者名:枯葉 | 作成日時:2022年5月29日 23時