たった一人 ページ29
目黒side
お昼を過ぎて病棟はまったりモード。
小学校に上がるとお昼寝って必要ないんだけど、やっぱり前日の夜眠れなかったり、薬の副作用で眠気が出てきちゃう子とかもいるから一応時間を設けてる。
まあ高学年の子はほとんどお昼寝しないのが現実なんだけどね。
いつものようにこの時間を狙って一気に仕事を片付けていると、プルルルル、とナースステーションの電話が震えた。
目「はい、──病院、児童精神科病棟です。……あ、亮平くんの、」
電話の相手は亮平くんのお母さん。
入院の手続き依頼にお話するから随分久しぶり。
目「今日は夕方でしたよね……え、？あっ……そうですか……」
電話の奥で伝えられた内容に、咄嗟に言葉を失う。
“下の子が熱を出して面会に行けなくなりまして……”
そう、今日は亮平くんがずーっと楽しみにしていたお母さんとの面会の日。
そういえば亮平くんには弟がいたと聞いたことがあるような。
朝からご機嫌で、今だってデイルームでラウールとお母さんに送る折り紙を折っている亮平くんのことを考えると、だいぶタイミングが悪かったなぁと口を結んだ。
まあ、亮平くんの弟という年齢なら家に1人ぼっち、というわけにもいかないだろうし、 もちろん保育園にも預けられないだろうから仕方ないことだとは思うけど。
目「そうですか、分かりました……亮平くんにはこちらから伝えます。お大事になさってください」
では、と言って静かに受話器を置いた。
伝えるのをこのまま先に伸ばすわけにもいかないし……となれば早いに超したことはなく。
重たい足取りのまま亮平くんのいるデイルームへ向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1273人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おいぬ(プロフ) - チェリーさん» メッセージに送らせて頂きました( ᵕᴗᵕ ) (10月12日 22時) (
レス) id: e34387800d (このIDを非表示/違反報告)
チェリー(プロフ) - コメ失礼します。sugar and saltという小説のパスワードを教えて頂けますか？ (10月12日 17時) (レス) id: 5958ebef62 (このIDを非表示/違反報告)
おいぬ(プロフ) - ぽぽぽさん» わぁ〜本当ですか！とーっても嬉しいです( "̮ )マイペースですがこれからも読んで頂けたら嬉しいです( .ˬ.)" (2022年12月15日 20時) (レス) id: e34387800d (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ - コメ失礼します。いつもほほえましく読ませてもらってます！おまけと言っても面白い話で、ありがとうございます。これからも応援しています！！ (2022年12月15日 19時) (レス) @page28 id: ae6b64ffe5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おいぬ | 作成日時：2022年8月31日 20時
