Hug Ⅱ (ページ4)

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深澤side

舘「こんにちは」

深「こんにちは〜……お願いします」

亮平が帰ってきてないのに呼ばれて不思議に思っていたら、今日はもう1人女医さんがいてくれて、亮平はそっちで診てもらっているらしい。

舘「熱ね……咳とか鼻水とかはない感じ？」

深「うん。朝からしんどそうなのは見て分かったんだけど……あ、ちょっと眠そうっていうか、」

言ってる傍からまた俺のお腹にぐりぐり顔を押し付ける翔太の背中を撫でながら舘さんの顔を見ると、首を傾げていた。

舘「……ふっか、ちょっと翔太こっちに見せて」

え、うん…と言われるがまま翔太の脇に手を差し込むと、強く抵抗した。

深「、ん？しょーた？お顔見せてよ」

翔「！ふぇっ、ぇ、げほ、けほけほっ……！！」

少し強引に剥がすと、顔を真っ赤にしながらげほげほっと咳き込んだ。

え。なにこれ。

目尻からは生理的な涙が伝っていて。

翔「うぇ、げ、ほっ、こほっ、！」

素早く看護師さんに服を捲られ舘さんが聴診器を当てる。

さっきまで静かにしていたかと思えばパニックになったようにえぐえぐ泣き始める翔太に怖くなった。

舘「……音良くないね。吸引します」

看「はい。では翔太くんこちらのベッドで吸引しますね」

促されるままベッドに翔太を仰向け寝かせると、真っ赤な顔で咳き込んでいた。

看「下の方で手繋いでてあげてくださいね」

深「、はい」

舘「……しょうた、ちょっとお口開けて頑張っててね〜……」

あれよあれよと頭を押さえられて口からチューブを入れられる翔太を直視は出来なかった。

小さな子供が数人の大人に体押さえられて抵抗できるわけもなく、苦しそうに目を瞑る翔太と手を繋いで、ひたすら、がんばれがんばれ、って言うしかできなかった。

舘「……はい、おしまい。頑張りました〜」

繋いでいた手を解くと、俺のか翔太のか分からない手汗でびっしょりだった。