Hug Ⅱ (ページ5)

今日:12 hit、昨日:55 hit、合計:46,442 hit

◇ ページ5

深澤side

深「……肺炎？」

舘「うん。そんなに酷いところまではいってないけどね」

多分、咳き込む感じが気持ち悪くて、俺のお腹に顔を押し付けてたのはそれを我慢するためだったんじゃないかって。

眠いって感覚が分からない赤ちゃんが寝ぐずりしちゃうのと同じで、咳き込むっていう感覚が分からなかった翔太はそれを俺に伝えることが出来なくて、不快なその感覚から逃げるしかなかったんだ。

舘「で、肺炎って感染症だから今日は大事をとって泊まってもらいたいんたけど…」

深「あぁ、うん。お願いします」

舘さんと、スタッフさんが2人ついてくれるらしい。

保護者は22時までなら付き添いとして一緒にいられるみたいだから、それまでに眠れるといいけど。

あ、その前に着替えと、大事なぬいぐるみも持ってこなきゃ。

子供用のマスクを付けてもらった翔太と一緒に一旦、待合室に戻った。

岩「肺炎？まじか、」

深「一晩だけ入院だって」

照は亮平についている必要があるし、着替えを持ってくるだけに病人の翔太を家と病院往復させる訳にもいかないし……ってことで翔太を病院に置いて俺だけが家に帰るのが1番いいんだけど。

正直、心配すぎて目を離すのすら怖い。

俺のお腹を背もたれにして座っている翔太を覗き込むと、ぼーっと床を見つめていた。

薬局に寄ってからそのまま帰った照たちよりちょっと遅れて家に帰ると、既に着替えや大事なぬいぐるみが用意されていた。

おかえり、と言う照の足もとで亮平がぺたんと座りながらストローを刺したヤクルトをぐびぐび飲んでいた。

そんなのいつも飲まないのに、と思っていたら薬局で見つけておねだりしたらしい。

可愛いのはいつも通りだけど、いつもより虚ろな目や水色の冷たいシートをおでこに貼ってる姿はやっぱり見慣れない。