5. 高校生 ページ6
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「な……んで?」
きっと、断られるなんて考えてなかったんじゃないかな。
私もこうなるなんて思ってなかった、少なくとも中学の時には……ね。でも、今ならこの選択を選ぶべきだと思えたんだ。
『……ごめん。』
「やだよ!俺、Aのこと好きだから……っ!!」
徹の声が2人きりの中庭に木霊して、桜から顔を覗かせていた鶯が驚いたのか、慌てるように一匹飛び去った。……私の前で、徹がバレ一以外のために声を荒げるなんて初めてだった。
その理由が"私だから"なら良いなって考えるけど、人気者の彼が私だからそうなるんじゃ駄目なんだ。……徹をそうさせるのは私じゃない、誰か。彼にお似合いの綺麗な女の子じゃないと。
『私だって及川のこと嫌いじゃないよ?でも……』
「ねぇ、その及川って呼び方も嫌だ。何で、」
キーンコーンカーンコーン_____
キーンコーンカーンコーン________
「え!もうこんな時間!?……じゃあ、また後でね。」
『あ、えっと、またね…………?』
「今、"またね"って言ったね!? 絶対会いに来るから!」
『えぇ……。』
こうして、私の高校生活は幕を開けた。
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作者名:羽瑠 | 作成日時:2021年10月10日 14時