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と、思っていたのに。
「じゃあ、いってきまーす!」
そう言って、来葉は出掛けていってしまった。
本当にただ見送ることしか出来ない私は、固まっていた。
えうそどこ行ったの来葉…てかなんで行先言ってくれなかったの。
はっ
ま さ か
男!?!?
なんて感じで思考が壊れるくらいには動揺していて、私はすぐに作業部屋にこもる。
向かうのは作曲用のPC…なわけなく、仕事用のPCの前だ。
は?この辺の「あれ」のセキュリティなんかガバいから、3年前からハックしてるし。
カタカタとキーを叩き、3秒もすれば侵入完了だ。
さて……どこかな?
はい発見。
さっき出ていった格好を見つけて、私はカメラを固定させる。
てかこの監視カメラってすぐそこのコンビニのじゃん。
そんなことを考えていれば、私の思考をフリーズさせるには十分な人影が、監視カメラの画角に入ってきた。
黒い猫っ毛。いつでも眠そうな表情。
い………イチぃぃぃぃぃぃ!?!?
握りしめる拳の力が増す。
親しげに話す2人は、少ししてどこかへ歩き去っていく。方向的に駅の方だろう。
なんだあいつは。私のかわいいかわいい妹に手を出しやがって。
てか!2人が会ったのってつい昨日だよね?!
……これは事情聴取案件だ。
ーーーー
そらる視点
「でも、よくアスが許しましたね、この外出…」
「もちろん、黙ってきちゃいました!」
てへ!といたずらっ子かのように舌を出す彼女は、今超人気なハリウッド女優なんて誰も思わないだろうな。
俺はその表情に苦笑いを返す。
「あっ、でもお姉ちゃん、昔から監視カメラのハッキングとかおちゃのこさいさいだったので、不審がって探索されてない…かな?」
心配そうに周りを見廻す来葉さん。
確かに、前アスが「コンピュータ関連の仕事をしている」とか言っていたような覚えがある。
「ま、まさかぁ。」
あははは、なんて笑う俺。
しかし、この予感はコンマで現実に変わる。
「……なんか、スマホ震えてません?」
「あ、ほんとだ。」
ぶるぶると震えるスマホを開けば、俺の視界にはものすごい量のlineの通知。
その全てが、アスからのメッセージだった。
……まじかよ。
そう思いながら開くと、案の定、威圧をかけるようなスタンプがスタ連されていて、俺が既読をつけたのをみたのか、こんなメッセージが飛んできた。
アス私の妹に手を出したら許さないから
…こわ。
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梅餅(プロフ) - ちょこさん» コメントありがとうございます!メチャ嬉しいです!!更新頑張ります! (2019年12月19日 20時) (レス) id: d60510a5f6 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - この作品好きです!続き楽しみに待ってます! (2019年12月19日 17時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
梅餅(プロフ) - 黒雪 冬華さん» 黒雪さん!お久しぶりです!全然考えずに書いてたんですが、このままシスコンで押してく路線に変更します!ありがとうございます笑 (2019年10月8日 20時) (レス) id: d60510a5f6 (このIDを非表示/違反報告)
黒雪 冬華(プロフ) - お久しぶりです!やっぱ面白いです。妹さん、シスコンと見た←安っぽい推理である (2019年10月8日 17時) (レス) id: 4eb5adcd65 (このIDを非表示/違反報告)
梅餅(プロフ) - かのさん» コメントありがとうございます!ちょこちょこ見てるんですけどほんと面白いんですよね笑ライブ楽しんできます!ありがとうございます! (2019年6月22日 10時) (レス) id: d60510a5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅餅 | 作成日時:2019年6月13日 18時