俺の焼きたてメロンパン冷めるんだけど【名探偵コナン】

ゼロとメロンパンの執行人２４ ページ36

「風見さん！」

「猫川さん、話は聞いてます」







公安部の会議室に連れ込まれ、事情を説明される。

まさか宇宙規模の壮大なテロ計画練ってるとは思わなかったな。

一周回って、ちょっと感動しちゃったのは黙っておこう。








「つーことは、変更コードを聞かなきゃ、ここは･･････」

「そうです。そのために降谷さんが被疑者のもとに」

「被疑者って･･････？」








被疑者、つまりこのテロの犯人。

毛利さんの事ばかり考えていて、完全に忘れてた。




頭の中に今までの状況を思い出す。

真実への手がかりは違和感の積み重ねだ。






日下部さんの上司への怒り。

公安の圧力。

橘さんと風見さんの関係。

NAZU不正アクセス事件。

岩井検事の急な昇格と、被疑者の自 殺。

公安警察の不可解な介入。

IoTテロとNor。

爆発に使われたのは、圧力ポット。





あれ？ちょっと待てよ。

何であの段階で圧力ポットを証拠申請したんだ？



まさか･･････








「聞いてないんですか？私はてっきりもう･･････」

「･･････犯人は、日下部さん、なのか」

「そう聞いてます」

「･･････っ何でだよっ！！！」








ダンッと壁を殴ると風見さんが驚いたように肩を揺らした。







「悪い。取り乱した」

「･･････いえ、別に」







日下部さん。

正義を愛する人だと思ってたのに。

･･････どうして。

公安に対する憎み具合に違和感を感じなかったりとは言えないけど、でも。

ギリっと拳を握る。








「降谷さんっ、もう時間が！」








風見さんがインカムに向けて、焦ったように話す。

そして、聞き取ると、








「《HABA_231》だ！！」







風見さんがスマホの電話口で叫ぶ。




しかし、深刻な表情は変わらず、電話の向こうの誰かの説明に低い声で相槌を打っている。

風見さんは電話を一旦切り、降谷に繋がってると思われるインカムを指で抑えてから口を開く。








「･･････大気圏突入直後の５分ほどの短い時間です。その間はプラズマが発生するため通信状態が保てず、確実に軌道を修正できてるかどうかわからないそうです。しかもパラシュートが開かない可能性があります」








風見さんの報告を盗み聞きながら、足が震えてるのを感じる。





俺は･･････何をすればいいんだ。

軌道修正できてないなら、4メートルを超えるカプセルがここに落ちてくる。

逃げるより他に、俺に何かできることはねぇのか。

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