俺の焼きたてメロンパン冷めるんだけど【名探偵コナン】

ゼロとメロンパンの執行人２０ ページ32

栗山さんの資料に一通り目を通したので、一休み。

その間に、少し電話をする。








「へぇ、岩井統括のスマホが･･････」

《幸い軽い火傷で済んだそうです》

「それもIoTテロだったんだな？」

《はい。同じくNorが使われていて》









捜査会議に出れない代わりに、高木に情報を流してもらっているってなわけだ。

いっつも、高木口軽いなぁと思ってはいたが、こういう立場になるとひたすらありがたい。








《･･････えっ、はい･･･やりましたね》

「おい、高木？どうした？」









電話の外が何やら騒がしくなる。

高木も別の誰かと話しているみたいだ。









《やりましたよ、猫川さん！毛利さんの不起訴が決まったそうです！》

「ホントか？！」

《はい！》








振り向いて、江戸川君に軽くウインクする。

君と工藤君のおかげだよ、ってね。








「蘭さん、妃さん、毛利さんの不起訴が決まったらしいです」

「っ、お母さん！」








蘭さんは息を呑んでから、妃さんに抱きついた。








「良かったね、蘭姉ちゃん」

「うん、ありがとう。新一や園子にも教えなくっちゃ」









蘭さんが事務所の外へと駆けていく。

微笑ましいな。








「ところでこれ、どうしましょう。羽場二三一を検察官が取り調べた調書なんですけど」









そう言って、栗山さんが出した資料を後ろから覗く。

あれ？



この事件の担当検事、さっき火傷したって言ってた岩井検事だ。









「あの、岩井検事って、去年は主任検事なのに、今は日下部さんの上司ですよね？」








俺の疑問に妃さんが相槌を打とうとした瞬間、後ろから声がした。









「そうです。岩井検事は妙な事に、羽場二三一の窃盗事件がきっかけで出世したんです。

ところで、これは？なぜ私や私の元事務員の事をお調べになっているんですか」









橘さんが机の上の調査書を取って、言った。

まるで敵を見るような鋭い視線だった。

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