ゼロとメロンパンの執行人6 ページ18
「毛利小五郎が送検された・・・・・・」
「ああ。お前が去った後に決まったよ」
苦々しげに語る先輩。
やっぱり、送検まで強引に持ってったか、公安。
軽く脅しといたし、ただの事件化だけで済ませてくれるかも、なんて甘かったな。
「先輩、俺もう1回現場行ってきます」
「はぁ?・・・・・・ってちょっ!おいっ!」
先輩の声を振り切って、バタバタと準備を終えて、現場へと直行した。
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現場から帰り、満足げに片付けを終え、割と機嫌良くデスクに向かうと暗い空気が鑑識課全体に流れていた。
どうやら、担当検事が日下部さんに決まったらしい。
敏腕検事相手じゃ、ただでさえ低い勝率が限りなくゼロに近くなるって考えか。
対して俺は、そこに希望を見出した。
だって日下部さんは公正な裁判へのこだわりが強い。
少しでも不審だったり、不明瞭な事があると、すぐに問い合わせてくる。
そんな人が公安警察の圧力なんかにコクコク頷くはずがない!
ここで日下部さんが不起訴処分にさえしてくれれば・・・・・・
すると、けたたましくデスクの電話が鳴った。
気怠そうな周りの人たちを見て、代わりに受話器を取る。
「はい、警視庁刑事部鑑識課、猫川です」
《猫川君?ちょうど良かった、君が適任だ》
「サミット会場爆破事件の話ですか?」
《ああ。被疑者の動機がまったく見えてこないのが気になってな》
「でしょうね。刑事部の見立てじゃ、その人はシロですから」
《・・・・・・公安か》
怒気を含んだ声が受話器から漏れる。
日下部さん、前に公安と何かあったのか?
親でも殺されたような憎み具合だな。
《とりあえず、正式にこちらから再捜査を依頼する事になると思う》
「安心してください。一課が総力を上げて動くと思いますよ。もちろん俺たち鑑識も」
無意識に自分の鞄を強く握った。
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ぶどう - 颯さん» コメントありがとうございます!もうすぐ続編出すので、これからも楽しんでくだされば幸いです。 (2022年9月29日 8時) (レス) id: 0aed378d42 (このIDを非表示/違反報告)
颯 - はじめまして、繰り返し小説読ませて頂いています!とても好き、とにかく猫川さんの性格、言動、全て好きです。これからも読み返していこうと思います。頑張ってください! (2022年9月23日 21時) (レス) @page47 id: 65bc4a3600 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう - ( ・´ー・`)どやwさん» すいません、不親切でしたね。コメントで言ってもらって大丈夫です(むしろそれ以外の方法がわからない)。ルパコナは書く気満々です。コメントありがとうございました! (2022年8月29日 18時) (レス) @page46 id: 0aed378d42 (このIDを非表示/違反報告)
( ・´ー・`)どやw - えっと…コメントで言って良いのか悪いのか…。コメントでリクエストをお願いします。それでルパコナでお願いしたい…!ゼロとメロンパンの執行人という素敵なお話有難う御座います!どんな最新話でも楽しみにしてます! (2022年8月29日 16時) (レス) @page46 id: 4e2cb1d965 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう - おと。さん» コメントありがとうございます!ただのめんどくさがりな三軽男なんですが、気に入ってもらえて嬉しいです。頑張らせていただきます! (2022年8月16日 19時) (レス) id: 0aed378d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぶどう | 作成日時:2022年8月7日 11時