ゼロとメロンパンの執行人7 ページ19
追加捜査が日下部さんから正式に求められた。
けど内容は、毛利さんのパソコンが誰かに操られた可能性を調べる事。
サイバー犯罪対策課の成果に期待するほかないか・・・・・・。
俺も何か他に手がかり掴まないと。
パンっと頬を叩いて気合を入れ、事件の証拠を再度一から確認する。
「猫川君、少しいいか」
「目暮サン?どうしました?」
振り返れば、目暮サンの後ろに高木や佐藤に千葉、白鳥までもが立っていた。
他の鑑識課の先輩たちも何事だ?と不思議そうに見てる。
「君の・・・・・・君の力が必要だ」
振り絞るように言う目暮サン。
「というと?」
「君のその頭脳を貸してくれ。毛利君のために」
「・・・・・・本気で毛利探偵を釈放しようと思ってるなら、警察としての本職を放り出すことになりますよ。
___だから、俺1人に任せてくれません?」
軽く微笑んで、でも真剣にそう言えば、目暮サンたちの目に迷いが蠢いた。
「もし万が一、何かあった時。責任を取るのは俺だけでいい」
今、覚悟を決めた。
これだけの人に思われている男に冤罪を被せるわけにいかない。
良いじゃないか、俺一人くらい道をずれたとて。
俺は、警察としての正義を今この時だけ捨てよう。
「猫川君、何する気だね?!」
俺の言葉の重みに焦ったのか、目暮サンが俺にそう問う。
笑って答えを軽く誤魔化してから口を開く。
「目暮サンも奥さんいるでしょ。それに高木たちだってもっと自分の将来を考えろ。結婚考える時、左遷されたせいで家計を支えられないとか笑えねぇぞ」
うっと押し黙る5人を一瞥して席を立つ。
「皆さんは警察として、テロの犯人を追ってください。俺は毛利さんの冤罪を晴らす方に走るんで」
そう。
俺は毛利さんを冤罪から救うためだけに、捜査をする。
テロの全貌を解明するという職務を放棄する。
メロンパンの紙袋と、捜査書類を乱雑に鞄に押し込み、鞄を背負う。
後ろを確認せず、スタスタと刑事部のフロアを後にした。
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ぶどう - 颯さん» コメントありがとうございます!もうすぐ続編出すので、これからも楽しんでくだされば幸いです。 (2022年9月29日 8時) (レス) id: 0aed378d42 (このIDを非表示/違反報告)
颯 - はじめまして、繰り返し小説読ませて頂いています!とても好き、とにかく猫川さんの性格、言動、全て好きです。これからも読み返していこうと思います。頑張ってください! (2022年9月23日 21時) (レス) @page47 id: 65bc4a3600 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう - ( ・´ー・`)どやwさん» すいません、不親切でしたね。コメントで言ってもらって大丈夫です(むしろそれ以外の方法がわからない)。ルパコナは書く気満々です。コメントありがとうございました! (2022年8月29日 18時) (レス) @page46 id: 0aed378d42 (このIDを非表示/違反報告)
( ・´ー・`)どやw - えっと…コメントで言って良いのか悪いのか…。コメントでリクエストをお願いします。それでルパコナでお願いしたい…!ゼロとメロンパンの執行人という素敵なお話有難う御座います!どんな最新話でも楽しみにしてます! (2022年8月29日 16時) (レス) @page46 id: 4e2cb1d965 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう - おと。さん» コメントありがとうございます!ただのめんどくさがりな三軽男なんですが、気に入ってもらえて嬉しいです。頑張らせていただきます! (2022年8月16日 19時) (レス) id: 0aed378d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぶどう | 作成日時:2022年8月7日 11時