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唇に伝う飛貴の指にすら嫌悪感を抱けばその手を振り払い後退りする
『でも何だか冷めちゃったんだよね』
その場から1歩も動くこと無く私を冷たい視線で見つめる飛貴に背筋がぴんと張る
"あ、そうだ"なんて思いついたようにスマホを取り出した飛貴
誰かに電話を掛ければ直ぐに玄関からドアの開く音がした
部屋のドアが開けば
「咲紅、」
『…何、してんの』
理解が未だ出来ていないこの状況に立ち竦む咲紅の肩に雄登が手を乗せる
『ほんと、何処までも馬鹿な姉妹だね』
嘲笑するように乾いた笑い声が響く
『どういう事?雄登も飛貴も何でお姉ちゃんといるの』
いつもと違う雰囲気に怯みながらもそう声を張り上げる咲紅に雄登が再び口を開いた
『俺も浮所もAの事なんか好きじゃなかったんだよ、勿論、御前のことも』
『まあAの苦しむ顔は好きだったんだけどね〜』
張り詰めた空気に逆らうように呑気にけたけたと笑う飛貴
『何にも気付かないで生きてるなんて可哀想だね』
『嘘でしょ、だって…飛貴は私の事、 』
『俺?咲紅の事なんか興味ないよ。ただ利用してただけ』
飛貴の笑みに恐怖を感じたのか部屋を後にした咲紅
それに続くように"じゃあね"と言って出て行った飛貴
震える脚をなんとか押さえ付けて2人がそうしたように雄登の部屋を出て行こうとすれば腕を掴まれた
振り返る勇気もない、ただその場で止まれば
『全部、崩れたね』
そう冷たく言い放って私の腕を掴んでいた手をゆっくりと離した
___ 嗚呼、呆気なく全部崩れてしまった
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朔(プロフ) - 倉木 勝さん» 暖かいお言葉有難うございます! 皆様に楽しんで頂ける素敵なお話を書けるように頑張らせていただきます(*´˘`*) (2019年8月9日 9時) (レス) id: da9efdc371 (このIDを非表示/違反報告)
倉木 勝(プロフ) - この作品大好きです…!無理なさらないでご自身のペースでゆっくりでも構いませんので、更新頑張って下さい!楽しみに待っています! (2019年7月28日 11時) (レス) id: 5a008c300c (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - わささん» 大変お待たせ致しました! この作品を気に入って頂けて光栄です。これからも自分のペースでゆっくりとにはなってしまうと思いますが是非ご愛読して頂けたらと思います! (2019年7月7日 0時) (レス) id: da9efdc371 (このIDを非表示/違反報告)
わさ(プロフ) - 更新嬉しいです!!ほんとに子の作品大好きすぎて....!これからも更新頑張ってください!! (2019年7月6日 21時) (レス) id: 1997f2a14f (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - とても、ストーリーが面白いです!再開待ってます!!! (2018年10月22日 19時) (レス) id: b8022ca40b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔 | 作成日時:2018年3月18日 5時