四角関係

▽ ページ30

⠀




無言のままの2人





沈黙を破ったかと思えば



『そろそろ、かな』




なんて呟いた雄登






刹那 雄登の部屋の扉が開いた






「…飛貴、なんで」





入って来たのは飛貴で にこにこと笑ったまま


感情が一切読めない







⠀

『あはは、何そんなに怯えてんの？』



雄登の乾いた笑い声が部屋に響いた




そして私の顎を掴んでを雄登の方を向かせられて



『惨めだね』



ただ一言、そう言い放った





「…どういう事」



『そのまんまの意味だよ。何も気付かず生きてる御前が惨めだなって』




"ね、浮所" と同意を求める様に彼の名を呼ぶ




其方を見やれば相も変わらず作った笑みを此方に向けたまま こくりと頷く





何も気付かず、って何よ




どんなに思考回路を張り巡らせても答えに辿り着く事は出来なくて




「教えてよ、私が何を気付いてないって言うの？」





『全部だよ。最初から全て。』





淡々と述べる雄登に増々思考は追い付かず




飛貴に視線を送れば




『Aって馬鹿だよね、面白いくらいに』





冷たい笑みに背筋が凍った

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