四角関係

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２限が始まる前に教室に戻れば普段通りの咲紅と飛貴にホッと胸を撫で下ろす


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その日は何も起きずに学校が終わり下校時間を迎えた



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今日は4人で帰る日みたいで普段通りに3人の後ろを歩く

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『あ！』

不意に咲紅が何かを思い出したかの様に後ろを振り向く


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不思議そうに見つめる私に


『今日は雄登とショッピング行く約束してたの』


なんて言って『は？』と怪訝そうに顔を顰める雄登の腕を引き元来た道を戻っていく


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その場に残された私と飛貴


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『行こっか』


と優しく言う飛貴



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久しぶりに飛貴の隣を歩くのはとても幸せな気分なはずなのに

顔を見れば凄く悲しそうな表情で 胸が酷く苦しめられた


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好きな人が悲しい思いしてる所なんて見たくないし


その悲しみの矛先が自分の妹なんて

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これ以上の苦しみなんか無いんじゃないかって感じるほどに


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「飛貴、私達も遊びに行く？」


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我に返った時には飛貴の大きく男らしくなった手を掴んでそう問い掛けていた


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「ごめん、帰ろっか」


手を離しそう呟けば 私の腕を引き手を繋いで来ては



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『行こ、遊びに』


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そういつもの優しい笑顔で言うから 連られて笑みを零し手を繋ぎ返した



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やっぱり飛貴が好きだな って改めて実感させられたこの日


こういうのも悪くないかな なんて思ってしまった


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