4話 ページ6
どれくらい経っただろう。
まだ十分ぐらいかな…
やはり寝られず、寝返りをうって目を開く。
すると、もういなくなったと思っていた人と、パチリと目が合った。
『……いたんだ』
仁「ああ」
『いつから見てたの』
仁「ずーっとじゃよ」
仁王くんは、パイプ椅子に座って、ケラケラと笑う。相変わらずの読めない笑みで。
しかも、何が楽しいのか、私のことを見つめている。
なんとなく起き上がろうとしたが、寝ているよう促され、そのままの状態で対面する。
仁「お前、名前は?」
『え…』
(同じクラスなのですが…)
まぁ、無理もない。
こんな目立つ人が、私みたいな地味女の名前などいちいち覚えていないのも納得だ。
『東雲…A…』
仁「ほうか…じゃあ、今日からお前はAじゃ」
(いきなり名前呼びですか……)
仁「じゃ、A。俺の名は知っとるかの?」
『うん…仁王雅治くん…でしょ?』
仁「なんじゃ、知っとるんか」
つまらんのー、と呟きながら目を伏せる彼は、どこから見ても綺麗で、有名なテニス部レギュラーの人だけはあるなと、感心した。
どうして私なんかに構うのか分からないが、
この時間だけだろうし、誰にも見られていない。
学校でこうして"会話"をするのは、いつぶりだろうか…
丸井くんと朝挨拶を交わす以外、本当に久しぶりだった。
仁「Aの目は綺麗じゃな。宝石みたいぜよ」
『仁王くんこそ…』
仁「ハハ、お揃いじゃ。ブルーアイ同盟ってとこかのう」
喜ぶべきことなのか分からないが、お互いに親近感を抱いたことは確かだった。
ラッキーカラー
あずきいろ
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ユッキー(プロフ) - megumiさん» 最高に嬉しいです!ありがとうございます!励みになります(*^^*) (2019年5月27日 1時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
megumi(プロフ) - お話も興味深いですし、描写も深くて素敵です(*'ω'*)更新、楽しみにしています! (2019年5月27日 1時) (レス) id: 04e98a2c19 (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - 白銀水龍さん» ありがとうございます!そんなお言葉を頂けるなんて嬉しい限りです(*^^)v頑張りたいと思います! (2019年5月21日 18時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
白銀水龍(プロフ) - 面白い!これからも更新頑張ってください! (2019年5月21日 18時) (レス) id: 01408c4e23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪 | 作成日時:2019年5月20日 0時