3話 ページ5
とある昼下がり。
頭痛が酷くなって、授業中に保健室へと向かった。
するとそこには既に先客がいた。
「今は誰もおらんぜよ」
ベッドを占領していたのは、同じクラスの仁王くん。
きらきらと輝く白い髪に、私と同じ青色の瞳をした彼は、丸井くんと同じくテニス部のレギュラーだ。
教室にいることは少なく、授業中もずっと窓の外を眺めていて、何を考えているか分からない。
そんな彼は、どこか近寄り難い雰囲気があり、まわりとは一線を引いているように思えた。
当然私との接点はない。
『寝て…いいんですか』
仁「なんで俺に聞くんじゃ」
『いや…だってベッド、一つしかないから…』
仁王くんが腰かけていたベッドを指差すと、ハタとした彼はそこから身軽に飛び降りた。
仁「これはすまんのう…どうぞ?」
彼はニッコリとそう言うが、その笑顔は全く読めない。
でも、素直に譲ってくれたので、ありがたくそのベッドを使わせて貰うことにした。
上靴を脱いで、ベッドに上がる。
ごろんと寝転がると、幾分か楽になったような気がする。
今日は朝から頭痛が酷い。
このまま寝てしまいたいところだが、痛みのせいでそれどころではない。
教室に戻ったところで、いじめられるだろうし、親に連絡とかになったら迷惑になる。
それならここにいるのがベストだと考えた。
ハンマーのように鳴り響く頭の中で、瞼を閉じて外界をシャットダウンする。
真っ暗闇はこわいけれど、とても落ち着くんだ。
ラッキーカラー
あずきいろ
50人がお気に入り
「テニスの王子様」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユッキー(プロフ) - megumiさん» 最高に嬉しいです!ありがとうございます!励みになります(*^^*) (2019年5月27日 1時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
megumi(プロフ) - お話も興味深いですし、描写も深くて素敵です(*'ω'*)更新、楽しみにしています! (2019年5月27日 1時) (レス) id: 04e98a2c19 (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - 白銀水龍さん» ありがとうございます!そんなお言葉を頂けるなんて嬉しい限りです(*^^)v頑張りたいと思います! (2019年5月21日 18時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
白銀水龍(プロフ) - 面白い!これからも更新頑張ってください! (2019年5月21日 18時) (レス) id: 01408c4e23 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪 | 作成日時:2019年5月20日 0時