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「——ってことがあったんですけど……。Aさんはどう思います? なにか知ってませんか?」
「うーん……そうですね……」
お昼休み。あれほどうるさかった蝉時雨ももう聞こえなくなってきている。
俺はAさんに思いきって昨日の出来事を伝えた。Aさんは考えるような素振りを見せる。
「その、それと関係があるのかは保証がつきませんけれど……。もしかしたら、知っていることが、あるのかもしれません」
どこかやって来る気まずさを隠すように、だし巻き玉子を口に入れるAさん。
普通の焼き卵は食べれないけど、Aさんのだったら食べれるんだよな。
「……その。同じ東第二に通っていた一つ上の幼馴染みがいまして。その人が、言ってたんですけど。にたような、同じかもしれない、事件を」
「はいはい」
「その動機が、付き合っていた男の子に近付こうとしてたから、とからしいんですけど」
Aさんは、まるで次々に出てくる言葉を押し込むみたいに水を飲んでいる。
そして一拍置いてから、言った。
「その、お付き合いしてた人の名前が、確か——」
……そこから先の言葉が、少し読み取れた。
「——なかむ、だったような」
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うい(プロフ) - あずきさん» お褒めのコメント嬉しいです。更新頑張るので、是非また来てくださいね。 (2022年9月23日 13時) (レス) id: a7df37f5cd (このIDを非表示/違反報告)
あずき - 面白いです~!!応援してますっ!! (2022年9月23日 13時) (レス) @page1 id: fed7a00a2d (このIDを非表示/違反報告)
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