検索窓
今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:164,562 hit

佰弍拾玖刀 ページ30

怖くて何も言えないでいると、童磨さんは立ち上がり




「逃げようなんて思わないでね」


平坦な声で言った



そうして、机に置いてあった文を持って入口から出ていく


少し、しんとした空間が生まれた
俺の傍には、渡せずじまいの紙袋が置いてある
そしてすぐにまたふすまを開ける音が聞こえた





「...」

巌勝さんだ...



「酷い...顔を..している」


近寄ると、隣に正座した

俺は体操座りなので、巌勝さんの方が幾分大きい



「....」

巌勝さんなら、








巌勝さんなら、出してくれるかもしれない







気がつくと俺は、巌勝さんの袖を掴んでいた


それを不思議に思った巌勝さんは
こちらをじっと見る





『み、巌勝さん..俺、ここから』



出たい、という言葉は出なかった


ちらりと見たあの人の顔は、恐怖そのものだったから
思わず袖を離そうとしてしまう

でも、ここで離したら俺は一生出られない





『で、出たいです。帰りたい』



「...帰りたい..か」


そう、俺の言葉を復唱した





『お、お願いします。俺、鬼殺隊に』


そう言っている最中に涙が出た
恐怖心もあれば、帰りたいという思いもある





巌勝さんは静かに話を聞いている



『もど、らなきゃ..行けないんです
戻り、たい...』



「戻りたい?」


その声に、ぞわりと背筋が凍った






怖くて、また下を向いた








.









.









.









「では...そんなことを思う足は...落としてしまわねば...」



そう言って、刀を抜いた

佰参拾刀→←佰弍拾捌刀



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (109 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
275人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Uguisu262(プロフ) - 朔凜さん» 時雨ちゃん、初めは嫌われにしようと思ってたんですが私の気分より変わりました!!!笑男主!!いいですよね!!!すごく嬉しいです!ありがとうございます頑張ります!!!!!!! (2019年12月19日 20時) (レス) id: ba53242d83 (このIDを非表示/違反報告)
朔凜 - 時雨ちゃん苦手かも←陽キャに過剰反応する屑陰キャ  主人公君めためたしゅき(ちな,僕男の娘デッス) 更新がんばってください応援してマッス! (2019年12月19日 17時) (レス) id: 2f92b54776 (このIDを非表示/違反報告)
Uguisu262(プロフ) - ゆきみだいふくさん» もう最初からありがとうございます!!!お気遣い感謝します嬉しいです!!!!! (2019年12月18日 21時) (レス) id: ba53242d83 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみだいふく - おわぁもう3まで行ってらっしゃる( ˘ω˘ )ほんとペース早いですね(`・ω・´)嬉しい事ですが無理しないで下さいね (2019年12月18日 20時) (レス) id: a17d5c7112 (このIDを非表示/違反報告)
Uguisu262(プロフ) - 八月一日さん» うわ〜〜ありがとうございます!!!!行冥さん!!いいですよね!!!!!夢主君ふらふらしてますが絡ませますんで楽しみにしてくださいね!!!ほんとに嬉しいです!!頑張ります!!!! (2019年12月17日 22時) (レス) id: ba53242d83 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あゆうみ | 作成日時:2019年12月17日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。