温もり いそじ あまり ひとつ ページ1
*
朝、目が覚めてしばらくボーッとする。
夢を思い出していた。
決して忘れられないであろう、あの夢を。
「アーヤ? 起きてる?」
下からママの声が聞こえてきた。
もうご飯が出来てるんだ・・・
時計を見ると6時30分。
わ、珍しい・・・
私は体を起こしてベッドから出る。
少しヒヤリと感じた。
やっぱり、朝はまだ寒いかなぁ・・・
「ママ、おはよう」
リビングのドアを開けて顔を出す。
テーブルには朝食が並べられていた。
「おはよう。顔洗ってらっしゃい」
私はママに頷いてドアを閉める。
そのまま廊下を歩いて洗面所に向かった。
「フゥ・・・」
バシャバシャと洗って、水気をタオルで拭く。
それで一気に目が覚めた。
またリビングに戻って自分の席につく。
「今日は早いね」
ママに話しかけると、嬉しそうな声で返事をされた。
「今日は裕樹も部活がないから一緒に食べてくれると思ってね」
あぁ、それでか。
私は今のうちにと思って口を開く。
「今日、秀明休みたいんだけど・・・」
ママの機嫌が悪くなりそうな話題は、機嫌のいいときに言うのが一番。
私はママの機嫌をうかがいながら話を続けた。
「ちょっと行きたい所があって・・・」
「良いわよ。連絡しておくわね」
よし・・・!
お兄ちゃんに感謝して朝食を食べ始める。
学校が終わったら、すぐに病院へ向かおう。
病院の場所は覚えてる。
黙々とご飯を食べ進めていると、お兄ちゃんがやって来た。
あ、一緒に食べてくれるんだ・・・
「あら裕樹、おはよう」
ママは一気に笑顔になってお兄ちゃんの前に朝食を並べる。
「ごちそうさま」
お兄ちゃんが食べ始めるのと同時に、私は朝食を食べ終わった。
今日は走ってこようかな。
早く起きれたんだし。
そう思って着替えようと部屋へ向かう。
「・・・雨だぞ」
お兄ちゃんがボソッと言って、私は動きを止めた。
えぇ・・・
窓のある方へ行き、外を眺める。
小雨だがパラパラと降っていた。
これくらいなら行けるんじゃない?
お兄ちゃんの方を見ると、首を横に振られた。
「風邪引きたいのか、バカ」
・・・すみません。
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にゃ〜 - アーヤと、翼のお母さんが、最後の最後まで翼を信じるところが感動しました! (1月8日 21時) (レス) @page50 id: 26a4d90e30 (このIDを非表示/違反報告)
みみー - 泣いちゃいました!読み終わった後なんかもうぼろくそに泣きました!作者様様へ、感動する話をありがとうです! (2021年3月24日 11時) (レス) id: 76382fa356 (このIDを非表示/違反報告)
ピュア - 感動しました! 色々なところで、泣きました (2021年1月5日 20時) (レス) id: 75738b8618 (このIDを非表示/違反報告)
yukko08(プロフ) - 翼が彩に抱きしめてと言ったところで泣きました 作者様に感謝です! (2020年5月4日 19時) (レス) id: 85514eea1d (このIDを非表示/違反報告)
K - リクエストを書いてもらえて嬉しいです。ありがとうございます。 (2019年9月6日 6時) (レス) id: 70bbe6910f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:smile | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Niko-hp/
作成日時:2018年3月22日 15時