温もり よそじ あまり いつつ ページ45
*
若干残念な気分になりながらも、ご飯を食べ進める。
「はい、裕樹」
ママが上機嫌でお兄ちゃんにご飯を渡した。
お兄ちゃんはそれを黙って受け取ってガツガツ食べ始める。
ふふふ。
ママや奈子と顔を見合わせてこっそり笑った。
きっと照れて素直になれないんだね。
私も上機嫌で止めていた箸を動かし始める。
こんなに温かい食事は、久しぶりだ。
「ごちそうさまでした」
私は奈子と声を合わせて、ごちそうさまをする。
「食器は水に浸けといてね」
ママの声に返事をして言われた通りにした。
私は部屋に戻ろうと階段に足をかける。
お風呂に入らなきゃ・・・
そう思った時、急に電話が鳴り始めた。
ちょうど電話の近くにいた私はビックリ!
「わっ!」
驚いて階段を踏み外してしまう。
まだ2,3段くらいしか上っていなかった為、怪我はしなかった。
「アーヤ? 出てくれない?」
リビングからママの声が聞こえる。
いてて・・・
電話に出るために立ち上がろうとした時、後ろから吹き出す声が聞こえた。
「フッ、お前、何してんの」
お兄ちゃんが口元を手で押さえながら立っている。
み、見られてた・・・
恥ずかしくなってさっさと立ち上がり電話に手を伸ばす。
「はい」
お兄ちゃんはしばらくこっちを見ていたが、階段を上っていった。
フゥ・・・
『あ、アーヤ?』
電話から聞こえてきた声は小塚君のもの。
え、なんだろ。
「小塚君? どうしたの」
不思議に思いながら返事をすると、ホッとしたような声が聞こえた。
『良かったぁ・・・』
・・・何かあったのかな?
そのまま黙って小塚君の言葉を待つ。
『今日の集合、アーヤも美門も上杉も来なかったから心配してたんだ』
え、集合なんてあったっけ?
自分の記憶を掘り返していると、更に小塚君が言葉を続けた。
『美門はハイスペックだし、上杉は体調悪いから休むって分かってたけど』
あぁ、そう言えば上杉君体調悪いって言ってたな・・・
さっきの事をボンヤリと思い出す。
『アーヤは何も言ってなかったし、無断で休んでるって分かったから心配で』
・・・ごめん、小塚君。
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ミラゴン - もう、感動して涙が止まりません。こんなにも感動する話は、こんなにも涙が止まらない話は初めてです。改めて恋、友情、そして、命について、考えさせられるお話ですね。また更新されるのを心待ちにしています。 (2019年2月25日 20時) (レス) id: 5ed9be59f6 (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪(プロフ) - ありがとうございます!では、載せますね。お返事ありがとうございます。 (2019年1月15日 20時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - Kokone♪さん» Kokone♪様、初めまして。わぁ、お誘いいただきとても嬉しいです!全然構いませんよ。わざわざ報告していただきありがとうございます! (2019年1月15日 19時) (レス) id: d18177599f (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪(プロフ) - smireさん、はじめまして。私、kokone♪申します。こちらの作品を、『泣けるお話、集めてみました。【探偵チームKZ事件ノート】』という私の作品に載せたいのですが、よろしいでしょうか。本当に泣けるお話なので、是非とものせたいです。お返事、待っています。 (2019年1月15日 17時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
smile - クローバーさん» クローバーさま、コメントありがとうございます。時には更新をしなかったり、一度に大量更新したりと不規則でしたが、ついに続編までいけました…(汗) 応援ありがとうございます! (2018年3月27日 15時) (レス) id: d18177599f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:smile | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Niko-hp/
作成日時:2018年2月23日 18時