温もり とお あまり やっつ ページ18
*
学校が終わり、帰る準備を進める。
ふと窓の外を眺めると、雨がパラパラと降っていた。
折り畳み傘持ってきてて良かった・・・
かばんから傘を取り出して教室を出る。
昇降口には、かなり人がたまっていた。
「ヤベー、俺傘ねぇのに」
「あ、お前も? 雨降るなんて聞いてねーし」
「だよなー。お天気お姉さ〜ん!どーなってんの〜!」
なんて、男子が騒ぎながら雨宿りしていたり。
「あ、折り畳みあって良かったぁ〜」
「え、じゃあ私も入れて〜!」
「いいよ〜。ついでに家までついて行ってあげようかぁ?」
「お前は不審者か!でも、ありがたや〜」
折り畳み傘を持ってきている女子が、はしゃぎながら帰っていったり。
「あ、お前らズリィ!」
「俺らも入れろ!」
その女子を雨宿りしていた男子が追いかけたり。
「うっわ、嫌だし」
「ちょ、こっち来ないで!」
男子に追いかけられた女子が逃げたり。
・・・って、これ大丈夫?
何だか茶番を見せられた気がして、唖然とした。
「アーヤ? こんなとこで何、つっ立ってんの」
背後からかけられた声で、ハッとする。
振り返ると、翼と忍がいた。
「帰んないの?」
忍に言われて、やっと気付く。
あ、そうだ。帰らないと。
「帰るよ。ちょっとボーッとしてただけ」
忍は軽く頷いて、上履きを履き替える。
翼もそれに続き、その次に私。
「そー言えば、何で立花はあそこで止まってたの?」
帰り道に忍がふと聞いてきた。
ついさっきの事を思い出し、少し考え込む。
「んー・・・」
あれって、どうやって説明すれば良いんだろう。
・・・かなり、難しい。
しばらく考えて、ポツリと呟く。
「ちょっとした、茶番を見せられてた・・・?」
すると、隣を歩いていた翼が吹き出した。
え、何。
驚いて固まっていると、忍が口を開く。
「何で疑問形なんだよ」
え、それで吹き出したの!?
翼をバッと見ると、更に笑い始めた。
だから何で!?
「七鬼、そっちじゃないって」
あ、違うの。
「普通に、ツボった」
だから、何に。
少しイラつきながらも、翼の言葉を待つ。
「でも理由は、秘密」
えぇ・・・
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ミラゴン - もう、感動して涙が止まりません。こんなにも感動する話は、こんなにも涙が止まらない話は初めてです。改めて恋、友情、そして、命について、考えさせられるお話ですね。また更新されるのを心待ちにしています。 (2019年2月25日 20時) (レス) id: 5ed9be59f6 (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪(プロフ) - ありがとうございます!では、載せますね。お返事ありがとうございます。 (2019年1月15日 20時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - Kokone♪さん» Kokone♪様、初めまして。わぁ、お誘いいただきとても嬉しいです!全然構いませんよ。わざわざ報告していただきありがとうございます! (2019年1月15日 19時) (レス) id: d18177599f (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪(プロフ) - smireさん、はじめまして。私、kokone♪申します。こちらの作品を、『泣けるお話、集めてみました。【探偵チームKZ事件ノート】』という私の作品に載せたいのですが、よろしいでしょうか。本当に泣けるお話なので、是非とものせたいです。お返事、待っています。 (2019年1月15日 17時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
smile - クローバーさん» クローバーさま、コメントありがとうございます。時には更新をしなかったり、一度に大量更新したりと不規則でしたが、ついに続編までいけました…(汗) 応援ありがとうございます! (2018年3月27日 15時) (レス) id: d18177599f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:smile | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Niko-hp/
作成日時:2018年2月23日 18時