温もり とお あまり よっつ ページ14
*
家の中に入ると、ママが玄関に立っていた。
わ、これって怒られる感じ・・・?
何か言われる前に、謝っておかないと。
「お、遅くなってごめんなさ・・・」
「あの子、誰っ!?」
・・・え?
被せるように叫んだママは、とてもニヤけていた。
いや、まさか、ね。
うん。違うよね。
見てる訳ないよね。
「・・・誰の事?」
玄関を開けた時に翼はいなかったし、大丈夫。
インターホンで盗み見たりなんかは流石にしないでしょ。
そう信じて、聞き返す。
「ほら、送ってきてくれた子!」
・・・嘘でしょ。
「カッコよかったわねぇ。ね、付き合ってるの?」
ママのテンションについていけず、唖然とする。
え、どうすればいいの。こういう場合。
「えっ、と・・・」
認める?
・・・恥ずかしすぎる。
じゃあ、否定する?
・・・あとでバレたら面倒臭そう。
う〜ん、適当にあしらう?
「ねぇ、どうなの? 良いじゃない、教えてくれたって」
・・・絶対無理だ。
頭の中で緊急会議を開くが、結論は出そうにない。
「あの・・・」
ひとまずは否定しておこうと思い、口を開いた。
そこで、もう一度ママの顔を見たんだ。
「・・・酔っぱらってる?」
顔はほんのり赤く、よく見るとフラフラしている。
「ん〜、ちょっとお酒は飲んだわよ」
絶対酔っぱらってる!
「ハァ・・・」
この、酔っぱらい!
無駄にドキドキさせないでよっ!
「お風呂入りたいから、もう行くね」
若干呆れつつも、ドキドキしていた私は足早にその場を去った。
「・・・彩に彼氏、か」
誰もいなくなった玄関で、ママがそう呟いたのも知らずに。
「素直に言ってくれたら良いのに・・・」
ママが、実はお酒を飲んでいなかった事を知らずに。
「私も思い出すわ。パパと出会った時の事」
優しげに、微笑んでいたことを知らずに。
「あなたも幸せになりなさい、アーヤ」
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ミラゴン - もう、感動して涙が止まりません。こんなにも感動する話は、こんなにも涙が止まらない話は初めてです。改めて恋、友情、そして、命について、考えさせられるお話ですね。また更新されるのを心待ちにしています。 (2019年2月25日 20時) (レス) id: 5ed9be59f6 (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪(プロフ) - ありがとうございます!では、載せますね。お返事ありがとうございます。 (2019年1月15日 20時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - Kokone♪さん» Kokone♪様、初めまして。わぁ、お誘いいただきとても嬉しいです!全然構いませんよ。わざわざ報告していただきありがとうございます! (2019年1月15日 19時) (レス) id: d18177599f (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪(プロフ) - smireさん、はじめまして。私、kokone♪申します。こちらの作品を、『泣けるお話、集めてみました。【探偵チームKZ事件ノート】』という私の作品に載せたいのですが、よろしいでしょうか。本当に泣けるお話なので、是非とものせたいです。お返事、待っています。 (2019年1月15日 17時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
smile - クローバーさん» クローバーさま、コメントありがとうございます。時には更新をしなかったり、一度に大量更新したりと不規則でしたが、ついに続編までいけました…(汗) 応援ありがとうございます! (2018年3月27日 15時) (レス) id: d18177599f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:smile | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Niko-hp/
作成日時:2018年2月23日 18時