俺らのマネは＊3【ハイキュー】

No.32 我慢できない ページ34

『ちょ……徹、くるしっ……



それにここ、道だし

い、いつ人が通るか…』





及「我慢出来ないんだモン」





我慢出来ないもんって…



まあ幸い

昼間すぎて逆にほとんど人が通らない

それでも全く通らない保証もないのだ





『あとで…』





及「？」





『ちゃんと2人の時に…

ゆっくり……したいな、なんて…』





及「！」





『ダメ？』





及「ダメなわけない！」





それを聞いてとりあえず一安心する





及「そうしよ！」





やっと私を解放し





及「帰ろっか」





徹は私を抱きしめていた手を

こちらに向けて伸ばしてきた



もしかしてじゃなくても

この手はそういう事だよね？

なんて思いながら

私はそっとその手に重ねる



その途端





『！』





グイッと引っ張られたかと思うと

唇に柔らかな感触が一瞬触れた





『！？』





及「コレだけ」





そう言って艶やかな笑みを浮かべる徹に

思わず見とれてしまう





及「じゃっ、今度こそ帰ろう！」





そんなこともお構い無しに

歩き出す徹



そして彼と手を繋いでいる私も

当然歩き出さなければならないが

足が動かない





そんな私に徹は振り返りまたこちらに来た



思わず身構えてしまった私に

徹はクスリと笑う





及「今はもうしないよ

今は、ね」





今は、なんて強調されなくても

薄々分かっているから

わざわざ言わなくていいよ！





及「それとも」





『？』





及「動けないならお姫様抱っこして帰ろうか？」





『なっ……！』





なんでそうなる！



そう思いながら勢いよく首を振る





及「そんな全力で拒否られたら

及川さん悲しい！」





『……』





及「うん、よし、帰ろう」





『うん』









＊









及「でも今ちょっと笑ったでしょ」





『…笑ってない』

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