No.41 天然タラシ ページ43
及「クロのジャージって何？」
『“あっ、電話してるんだった”』
スマホの向こうから聞こえるAの声
嬉しいはずなのに
嬉しくない内容が聞こえてしまった
及「…聞かれたらマズイことなの？」
『“いや、クロのジャージを借りてて”』
及「だろうね、それは分かるよ」
思わず素っ気なく返してしまう
『“や、えっと…簡単に言うと
水被って色々どうしようもなくなって
たまたまクロが貸してくれたの！”』
…水によるどうしようもない出来事なんて
及「それをトサカ君には見られたと」
『“ハイ…”』
及「…まあそのままほっとく
なんて事は出来なかっただろうからいいとしようか」
『“う、うん”』
それでも…
及「俺より先に！」
『“え？”』
及「いや、何でもない
とりあえず今回は許してあげるってこと」
『“何で徹が？”』
及「何でも！
てか、Aが気を付けたら万事解決なんだけどね
なんかいつもどこか抜けてんだよね〜Aって」
『“…スミマセンね”』
少しムスッとした声が聞こえる
そんなAの声も愛おしい
及「いつもは俺が守ってあげれるけど
今は隣に俺がいないんだから！」
『“っ！”』
及「ね？」
『“ハ…ハイ”』
及「何でそんな声震えてんの？」
『“徹が突然そんな事言うから…”』
及「そんな事？」
『“〜ｯ”』
及「ん？」
『何でもないっ！』
及「え〜」
『“もういい！？切るよ！？”』
及「そうだね
結構喋れたし」
『“うん”』
及「まあ、まだまだ足りないけど」
『“……”』
及「A？」
『“…この天然タラシ”』
及「え？」
『“体調に気をつけてね！
バイバイ！”』
及「あ、バイバイ」
そうして通話は終了した
…この天然タラシ
か……
及「ごめんねA
俺は天然なんかじゃないよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 230人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「黒尾鉄朗」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユウ(プロフ) - ありがとうございます！訂正いたしました！ (2017年8月4日 20時) (
レス) id: 926e734020 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - この小説めっちゃ面白いです！！他の小説も頑張ってください！あと万円の笑みじゃなくて満面ﾃﾞｽﾖ!!! (2017年7月2日 5時) (レス) id: 446db82ac2 (このIDを非表示/違反報告)
トモシビ(プロフ) - ぜひ、読ませてください。更新楽しみにしています！ (2016年10月10日 19時) (レス) id: 00f07bd6cb (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 赤髪の桜さん» そんなこと言っていただけるなんて嬉しすぎて泣きそうです｡｡｡これからもよろしくお願いします！ (2016年10月10日 12時) (レス) id: f358816963 (このIDを非表示/違反報告)
赤髪の桜 - 今まで読んできた小説の中で一番面白かったです！これからもがんばってください！(ノ´∀｀*)恋愛 (2016年10月10日 8時) (レス) id: 4b4301a4fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユウ
| 作成日時：2016年10月8日 20時
