4話 ページ6
グリンゴッツ銀行でハリーとハグリッドの付き添いをしたが、トロッコには二度と乗りたくないと思った。
そういえば、ハリーの両親はハリーにお金を残してくれていたが、私のは残ってるのだろうか？
両親の遺産が残ってるという話は1度も聞いたことがない。
あとでセブルスに聞こう。
「制服を買った方がいいな。」
そう言ったハグリッドの顔色がとてつもなく悪くて、心配になる。
私達が採寸をしている間、薬を買いに行くらしいハグリッドと別れて【マダムマルキンの洋装店】という看板が掲げられているお店へと足を踏み入れた。
そこにはもう既に1人、男の子が採寸を受けているところだった。
プラチナブロンドの髪色をした鼻筋が通った男の子。
「坊ちゃん、お嬢ちゃん、ホグワーツなの？」
話しかけてきた魔女は恐らく店主のマダム・マルキンなのだろう。
私達が口を開く前に声をかけてきた。
「全部ここで揃いますよ…。もう一人お若い方が丈を合わせているところよ。それで、どちらが先に採寸するの？」
『ハリー先いいよ。』
「あ、う、うん。」
「じゃあ坊ちゃんおいで。」
マダム・マルキンに連れられたハリーについて行って近くで採寸を見る。
「やあ、君らもホグワーツかい？」
「『うん。』」
先にいた男の子が話しかけてきた。
それからその男の子はハリーにクィディッチとかスリザリンがいかにいいか、ついには先ほどまで一緒にいたハグリッドを批判し始めた。
ハリーの顔がだんだん歪んでいるのが分かる。
多分、この子が苦手なのだろう。
特にハグリッドを批判したことに対して苦手意識を持ったようだ。
「君らの両親はどうしたの？」
「『死んだよ。』」
声が重なったことで初めてハリーも両親がいないことを知る。
「おや、ごめんなさい。」
謝る気がないように口調で言われ、少なからずイラッとする。
「さあ、終わりましたよ、坊ちゃん。」
店主にそう言われたハリーは心做しか嬉しそうな表情をする。
「お次はお嬢ちゃんね。」
今度は私がこの男の子の相手をしないいけないのかと憂鬱になる。
「君はアジアの子なのかい？」
予想通りというかなんというかやはり話しかけてきた。
『うん。おばあちゃんとお父さんが日本人なの。』
「ふぅん。」
自分から聞いたのに興味がなさそうだ。
イライラして思わず動いたらマダム・マルキンに注意された。
「じゃあ、マグル同然か。」
「は…。」
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作者名：新井乃愛 | 作成日時：2020年2月16日 0時
