呼び出し ページ30
.
「こんな場所で何の用だ」
太宰から呼び出しを受け、あの廃病院に行くと、当然ながら太宰が待ち構えていた。
「これ、何だと思う?アジトのパソコンの中にあった、横浜の調査情報だよ。驚くことに、この横浜支配には、探偵社の殲滅が第一だと書かれていた」
「裏社会を牛耳る、ポートマフィアではなくか」
「彼らは踊らされていたんだ。偽の情報でね」
「まだ、黒幕が…?」
「実は、真犯人と思っている人物にメールを出した。犯人である証拠を持っているとね。もうすぐここに来るはずだよ」
すると、足音が聞こえてきた。
それも二つ。
「まさかお前が、お前がそうなのか六蔵!」
「何言ってんだお前?」
出てきたうちの一人は、良く知った顔だった。
もう一人は…
「あれ、まだ始まってないんですか?」
「そうか、君は私の電子メールをハッキングで覗き見たね。そして、君はその情報を買ってともにここへ来た、と」
「本当にお前じゃないんだな」
「俺はただ真犯人の顔を拝みたかっただけだよ」
「本当に本当だな?!」
その時、六蔵が叫んだ。
「危ねぇ眼鏡っ…」
そう言って自分を押しのけた時、銃声が聞こえ、状況を理解した。
しかし、六蔵は撃たれてはいなかった。
「こわ……」
「お前…」
ポートマフィアの高校生が寸前で六蔵の手を引いていたのだ。
太宰が銃を向けた方から出てきたのは、予想もしなかった、佐々城女史であった。
77人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:のーと。 | 作成日時:2018年2月6日 18時