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家に着くなり、私は仕事服に着替え、髪も結びなおした。
その上から同僚さながら黒外套を羽織る。

勘のいい方はお気づきだろう。

そう、同僚とは芥川さんである。
そして、私が最後に受けた異能力攻撃というのは『羅生門』だ。

彼は今や遊撃隊の隊長という結構なご身分だが、私だってそんな芥川さんと同僚と言えるくらい出世したのだ。
ほめてほしいと思う。

マフィアごときが何言ってやがるとか思うかもしれないが私だってやりたくてやってるわけじゃない。

消されるのが怖いだけだ。

マフィアに入って人の命に対する感覚が麻痺してしまった自覚はあるが、私だって一般人だったのだ。
自分の身は可愛いに決まっている。

「お母さん、今日夕飯置いといて」

「オッケー」

この件に関して家族は目をつむってくれている。
というかつむらされている。

某ちびっこが圧倒的な威圧感で我が家族を黙らせた。

で、今何を追っているかというとみんな大好き中島敦君。
彼が人虎だということはすでに裏がとれているので、さっきこっそり発信機を仕込んでやった。


まあ、虎化したときにすぐに外れるだろうが、そんなことはどうでもいい。
私が確かめたいのは彼が無事に武装探偵社に保護されることだ。

友人のおしゃべりのおかげで中島さんが探偵社に保護される事がわかっているのでこのままその原作とやらを楽しむとともに芥川さんに情報提供して甘いものををおごってもらう。

うん、我ながら完璧な作戦。

なぜその場で捕獲しなかった、と聞かれても太宰さんがいたから、と答えれば一発だ。

ケータイを確認しながら少し鼻歌交じりに軽い足取りで歩く。
たまに通りかかる人に二度見されている気もしなくもないがそんなの知らない。

なぜならアイアム私立ピーポーなのでここら辺に同級生がいないからだ。

すると、急にケータイに通知が来た。

「…思ったより早かったな」



__流石太宰さん。

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作者名:のーと。 | 作成日時:2018年2月6日 18時

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