手引き ページ35
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「太宰さん、また入水ですか？」
川べりにいた太宰さんを見つけ、声をかけると、太宰さんは振り返って目をキラキラさせた。
「Aちゃんっ、ようやく私と心中する気になったのかい？」
「いや、別に。」
太宰さんを軽くあしらって、本題に入る。
「太宰さん。中島さんに70億の懸賞金をかけた御大尽、知りたくないですか？」
「ふふ、何？教えてくれるの？」
「いや、私から教えたらそれは背信問題ですからね、自分で調べてくださいよ。ま、マフィア内に入る手引きぐらいはします。中也さんとかがどこに情報があるか、教えてくれるんじゃないですか？」
「それは、私に一旦捕まれと言っているのかい？」
「まあ、はい」
すると、太宰さんが笑い出した。
何この人怖い。
「全く、成長したね、君は。随分と大人っぽくなった」
「ちょっと言葉の真意が掴めないんですが」
「そのままの意味だよ」
そう言ってくすりと笑う太宰さん。
イケメンは罪である。
「じゃ、捕まろうかな。私は気絶したふりでもするから、マフィアのビルまでご案内よろしく〜」
「え」
気絶した太宰さんをビルまで連れ帰る？
「そこまで考えてなかったああああ！！」
異能使えないし人を呼ぶしかない。
さっきの2人は邪魔しちゃいけない。
黒蜥蜴は任務中。だめ。
芥川さんは論外。ごめんなさい。
女子軍はダメ。
よし。
黒服だ！(投げやり)
「はい。鈴木です」
「鈴木さん？ちょっと手伝って欲しいのだけれど、あともう1人くらい連れて川沿いのパン屋のところまで来てもらえます？」
「安部部隊長っ?!はっ、今すぐ向かいます」
やったぜ、と電話をきり、位置的にも景観的にもとても邪魔な太宰さんを転がして河川敷に落とすと、いてっ、という声がした。
ざまあ
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作者名：のーと。 | 作成日時：2018年2月6日 18時
