77 伝事 ページ27
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ドクターアリスがフランケンシュタインに圧倒されている頃、偵察隊は彼女達の元へ辿り着こうとしていた。
やはり偵察隊が先程感じ取った"気"は、フランケンシュタイン達が戦闘をしていた際に漏れたものである。
駆けながら目的の人物を見つけた偵察隊の1人であるM-21が、ライジェルに抱えられているAにも伝わるように叫んだ。
「いたぞ!!
見た感じ応援はいらなさそうだが。」
M-21の言葉を受けたAはライジェルの胸元で隠していた顔を上げ未だ遥か遠くぼやりとしか映らないフランケンシュタインを探す。
応援はいらないという事は果たして怪我等していないという事だろうかと、Aは状況がイマイチ分からず不安で堪らなかった。
それに先程から頭に響くこの"声"は一体何なのか、言葉にならない悲痛な叫びがフランケンシュタインの元に近づくにつれどんどん大きくなっている。
(頭に響く声が強くて目の前が霞む……。
何て言っているの…??
響く程大きいのに聞き取れない…。)
フランケンシュタインへの心配と不安を煽る"声"の恐怖にAは限界に近かった。
(フランケンシュタインさんが怪我してないか確認したいのにっ……!)
彼の無事を確認したいのに大きくなっていく"声"に思わず俯いてしまい目を向けらない。
意味が分からない、どうしたらよいのかも分からなくて怖い。
そんな彼女の状態にライジェルは気づき抱える手をさらに自身に引き寄せるとAとの距離を無くすように支え直した。
「………??
…ライ、ジェル………。」
「………彼は無事だ。」
「!!
…………うん。
ありがとう。」
ライジェルの思ってもみない行動にAは驚き彼を見上げ、そして彼の御陰で少し落ち着けた。
(我儘言って連れてきてもらったんだからしっかりしろ。)
"声"にも自分の不安な気持ちにも押しつぶされそうなAは周りが見えなくなっていたが、ライジェルにより引き戻される。
Aは自身の胸の前で両手を握り合わせ優しく導かれるようにゆっくりと深呼吸をした。
怖がってばかりいてはいけない、フランケンシュタインと無事に家へ帰り、この"声"ともきちんと向き合うのだ。
(怖がってないで集中して聞け…。
"声"は何を伝えたがっているの??
伝えたい事をどうか教えて下さい。)
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ちるちる(プロフ) - ノブレス大好きです!お話もめっちゃ面白かった!!続きが気になります! (2022年11月27日 20時) (レス) @page27 id: ace1fac0f2 (このIDを非表示/違反報告)
UYK(プロフ) - カントウさん» こちらこそ嬉しいご感想ありがとうございます。理想的と言って頂けて本当に感無量でございます。大変遅くなり申し訳ございませんが更新致しましたので宜しければ読んでいただけますと嬉しいです。宜しくお願い致します。 (2021年2月3日 22時) (レス) id: 3951a69e6f (このIDを非表示/違反報告)
UYK(プロフ) - kazokulove0115さん» 初めまして。私もノブレスめちゃくちゃ好きです。このような拙い文章の続きを楽しみにしてくださって本当にありがとうございます。私自身の自給自足の為、書き始めた小説ですが楽しんで頂けて幸いです。更新は亀の歩みですが、これからも宜しければお楽しみください。 (2021年2月3日 22時) (レス) id: 3951a69e6f (このIDを非表示/違反報告)
カントウ - ノブレス夢を探して辿り着きました。すっごく理想的な話をありがとうございます!!!続き、楽しみにしてますので、宜しくお願いします! (2020年12月1日 23時) (レス) id: a168b0f487 (このIDを非表示/違反報告)
kazokulove0115(プロフ) - はじめまして。ノブレスめちゃくちゃ好きです。続きがすごく気になります。ノブレスの夢小説色々探してはいますが全くなく、断念しようかと思っていたところでした。小説見れて嬉しかったです。次の更新楽しみにしています。 (2020年9月4日 11時) (レス) id: ef84592b87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:UYK | 作成日時:2018年8月23日 0時