貴方だけのお人形 2 ツイステ (ページ7)

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「･･･メリットですか？」
「ええ、対価をお渡しにするとなると、それなりのメリットがなければ僕が損するばかりです」
「困りましたねぇ。アズールがそんなこと言うなんて予想してなかったもので」
うそだ。ジェイドが困った事なんて数えれるくらいしかない。困りましたねはもはやジェイドの口癖になっていた。
「ジェイドは何を僕にくれるんです？」
そう言うとジェイドは満足した顔でこちらを見る。ジェイドはコソッと僕に近づき、耳打ちをした。
「･･･これでどうです？」
僕の目が開かれる様子を見てジェイドはニヤリと笑う。まさかキングスカラーが来た時からコレを僕に持ちかけるつもりだったのか。
「良いでしょう、対価は三日後に来る予定ですのでその時に」
「畏まりました。アズールは慈悲深いお方だと思ってましたので良かったです」
「そんなこと微塵も思ってないでしょう？」
「いいえ？」
僕とジェイドの笑い声が部屋に響いた。

「うわあの二人何怖ー」
フロイドに聞かれてたとは知らずに。

「ジャック、ジャックどこ行くの？」
「あ？あぁちょっと走りにな」
「私も行きたい。外で本読みたいから」
「だけど俺結構走るんだが･･･」
「待ってるからいいでしょ？」
上目遣いをして、ジャックを見る。さっき失敗した上目遣いじゃなくて少し口も尖らせた。落ちるか？
「！〜っ、あっ。〜！･･･分かったよ」
「わーいジャックレオナの次に好きー」
「嬉しくないような悲しくないような･･･」
ジャックが手を繋いでくれる。中で本を読むのはもう飽きてしまったから外で読むのもたまにはいいと本に書いてあった。風も当たるし良いだろう。
「･･･ジャックスピードはやぁ」
ジャックの走るスピードは速くて結構大きいグラウンドをあっという間に十周を超えてしまった。なのにジャックの走るスピードは衰えずそれどころか速くなってる気がした。
「本を読みに来たのにいつの間にジャックに夢中になっちゃった･･･」
すぐ読み終わると思って何冊か持ってきたがまだ一冊も読み終えてなかった。ジャックがもの凄いスピードでこちらに向かってきた。ジャックが急に止まったので、風が私の方に急にブォッ！と来て髪の毛がボサボサになってしまった。ジャックが慌てて髪の毛を直してくれる。
「ワリィ、ボサボサになっちまった」
「ううん、大丈夫。ありがとう、ジャックはどうしたの？」
「いや、そろそろ帰ろうかと思って」
「うん、分かった」