貴方だけのお人形 2 ツイステ (ページ5)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:15,098 hit

事件ページ5

「わりぃおそくなった！」
「ううん、大丈夫。いっぱい読めたから」
ジャックが汗だらけで迎えに来てくれた。飛行術は箒で空を飛ぶ授業だと聞いている。私も魔法が使えたら飛んでみたかったな。そんな事を考えているとジャックがジーッとこっちを見てきたので読んでいた本を閉じて元の場所に戻そうとすると、ジャックが慌てて私の手を止めた。汗がベトベトする。
「あの、その本借りたら持って帰って読むことが出来るから、戻さなくても」
「ほんと！？何冊も借りれるの？」
「あ、ああ。上限があるが、何冊かぐらい借りれるぞ」
「じゃあね、これとこれと、これも！」
合計十冊ぐらい借りたけど、私は持てなかったからジャックが持ってくれた。申し訳ない気持ちでいっぱいになる。謝るけどジャックは気にすんなと言ってくれる。ジャックはレオナと同じくらい優しいなぁ。

「リドル！」
ダダダダっ！！！と帰ってる途中大きな音が聞こえた。音の方を見るとトレイが倒れていてリドルが慌てて階段を降りてトレイに駆け寄った。
「トレイ、うわぁ」
「A！」
人がゾロゾロと階段に寄って人混みが作られる。ジャックが離れないようにと強い力で手を握ってくれてるが人混みはドンドン酷くなっていってジャックの手が離れそうになる。一生懸命ジャックの手を離さないようにしているが、繋がれていた最後の小指が離れてしまい、私は人混みの中に飲まれてしまった。
「A！」
「ちょっわっうぷ」
自分よりも数十センチ背が高い人達に勝てるわけはなく、ドンドン人混みの中に紛れてしまう。最悪だ。中にはジャックと同じ飛行術を受けた人達だろうか、汗だらけでベチョベチョな人達に挟まれてマントが濡れてしまう。もうダメだ、このままだったらどこに流されるんだろう。
「ラフウィズミー！」
ぐんっ！と体が勝手に動き、人混みの中を強引に動く。この感じ、まさかラギィの。そう思うといつの間にかジャックの元へ着いたのか、解放感が体に伝わった。
「A大丈夫か？」
「うんラギィが助けてくれたの」
「ラギー先輩が？」
「多分だけど･･･なんか体が勝手に動いていつの間にかジャックの元に着いてたの」
「確かラギーさんのユニーク魔法は、まさか今までのとさっきのは･･･」
「ジャック？」
「何もねぇ。早く帰って本読むか」
「うん」
帰りのジャックの手はさっきよりも強くなってて少し痛くて、ジャックの顔を少し怖かった。

「まさか、貴方が取引したいだなんて」
お客に話しかける。