貴方だけのお人形 2 ツイステ (ページ4)

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一目惚れページ4

「じゃあなにぃ？」
フロイドがニヤニヤした顔で見てくる。
「何と言われましてもね･･･気になるそれだけですよ。まさか、僕にあんな態度とるなんて」
相当怖かったはずだ。自分よりも背が高いものに見下されて急に触れられたら、海の中の生き物達もそう。なのにあの人はそれを顔に出さなかった。それどころか反抗の態度もとったのだ、海のギャングとも呼ばれるウツボにね。
「ねえフロイド」
「なあにぃ？」
「これが一目惚れというものなのでしょうか？」
「･･･ジェイド、今ァすっごく悪い顔してるよォ」
「フフ、つい」
あの人を自分の手で泣かせてみたい。あの綺麗な目を涙で歪ませてみたい、そんな欲望がドンドン込み上げてくる。これが恋、独占欲というものなのでしょうね。経験したことが無いが、それなのだと確信する。あの人のご主人様、レオナ・キングスカラーを憎んだのは初めてだ。初めての感情がいっぱい。全てあの人が教えてくれた、その事にニヤけが止まらない。まるで映画のワンシーンの運命の出会いをした時のような主人公の気持ち。そんな僕の様子を見てフロイドはニィッと口を歪ませる。
「フゥん、ジェイドをそんなんにするなんて･･･俺も会ってみてぇなあ！ね！どんな奴か教えてよぉ！」
「ダメです」
「･･･なんで？」
フロイドがあからさまに不機嫌になる。片割れだからこそ興味を湧くものは一緒なのかもしれないが、今回ばかりは譲れないのです。
「フロイドも彼女を見ると絶対ハマってしまうので。これ以上恋敵は作りたくないのですよ」
「･･･アハッ！何それぇもっと気になんじゃあん♪もしかしてぇ、その子まだ図書館に居る？」
「さあ？それよりももうこんな時間。確か、アズールが大事な客との取引があると言っていましたね。行きましょうフロイド」
「うんジェイド♡」
Aさんが僕に堕ちるのが楽しみだ。
ゾオオオオオ！
「！寒っ･･･」
図書館の隅っこで急に来た寒気がAを襲った。