貴方だけのお人形 2 ツイステ (ページ13)

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「かんっぜんに迷った･･･」
一時間くらい歩いたが、一向に森には出られなかった。それにこの森は動物もいないし、匂いも気配も感じない。魔法か？
ガサッガササ！
「！誰だ！？」
俺が気配を感じ取れなかったなんて･･･ユニーク魔法！？警戒していると、現れたのは老人夫婦だった。油断ば出来ない、いつでも攻撃できる体勢に変える。すると、老人夫婦が近寄ってきて、肩を叩かれた。
「君も、聖女様に導かれに来たのかい？」
「･･･は？」
突然のことにポカーンとしていると、老人夫婦が、ニコッと笑い連れて行ってあげるよといわれ、手を引かれた。俺が時間を掛けても迷った森の中をスイスイと進む。ユニーク魔法の一種か？それにしても、聖女って･･･。
「なぁ、聖女って誰なんだ？」
「聖女様を知らんのかね！聖女様は我々、生きる物全てを導いてくださる神の子なんじゃよ」
「神の子･･･？」
婆さんがニコリと笑い、その聖女様の凄さを教えてくれた。どうやら聖女様は神に選ばれた力で、信者を正しき場所へ導くんだとか。正しき場所に導かれた人は大金持ちになったり、美女と結婚したり権利を得たり･･･くだらねぇそんなのに興味は無いが、その聖女様のおかげで大成功した人が居るってことは力は本当なのだろう。
「ついたぞ」
そこは、古い教会だった。補強もされてなくて、オンボロ寮よりもボロく台風が来たら確実に壊れるほどのボロさだった。こんな所に神聖な聖女様が居るって･･･？老人夫婦がドアをあけ、奥の部屋に進む。すると奥の部屋のドアの前に派手な服や装飾品で着飾った五十代くらいの女の人がそこに立っていた。匂いが香水臭くて嫌になる。
「あら、そこの方は新しい信者ですか？」
女の人が俺を指さし、老人夫婦に尋ねる。動く度にジャラジャラなる装飾品が少しウザかった。
老人夫婦は何かを女の人に渡し、俺の手を引っ張ってドアを開けた。ドアを開けた瞬間、老人夫婦は頭を地面に付け、いわゆる土下座をした。
「っ！おい婆さん達、なにやって「聖女様聖女様ここに祈りを捧げますことをお許し下さい」･･･え？」
よく見てみると、老人夫婦は手を重ね合わせ、何かに祈りを捧げているように見え、俺は老人夫婦の見ている方向を見た。

「･･･A？」

キレイな赤と白のオッドアイが俺と老人夫婦を写していた。

「！」
目を開けると白い天井が見えた。･･･医務室か？すると、カーテンがシャッと開く。
「･･･A」
「おはよう。よく寝れた？」