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*(Senra side) ページ30

2人の言葉、特にAの言葉を聞いた俺は猛烈に焦ってた。
俺の彼女がセンラーとしてセンラに…俺に会いに来る!?


俺がここまで焦ってるんは、付き合い始めてからまだ彼女に、Aに俺が歌い手のセンラやってことを言っとらんからや。
彼女は、告白した時に自分の事を話してくれたんに、俺はまだ話せてない。


ほんまはずっと言いたかってん、けど…推しが彼氏とか混乱させるやろうし、なんせ話す機会がとことん無ぉなってしもうとった。
話すべきやって感じてたけど、それ以上にAと恋人として他愛の無い話をする空間を壊したなかったんや、言い訳がましいかもしれんけどな。


「あの〜千羅さん?聞いてます?」


葵の声で脳内会議からはじき出された俺は、え?と何とも素っ頓狂な声を発してた。


「もう!千羅さん!」


少し頬を膨らませながら彼女は僕を見つめてて、結ばれた今でも、あぁやっぱ可愛えなと思って、此処が会社やなかったらぎゅうぎゅうに抱き締めてたかもわからん。


「私、葵君と浦島坂田船のライブに行きます!」


それだけ言うと、Aは俺のもとに近づいてきて耳元に愛らしい口を寄せた。
そして、小声で

「男の人と2人で行くんだから予め言っといたほうがいいと思ったの、だって千羅さんは私の……か、彼氏だから」


と言って離れたかと思うと、走って部署の方に戻っていった。
俺のことを“彼氏”と、俺の前では自ら口に出したことがなかったからか、彼女の耳は真っ赤に染まっていた。
ほんまに、此奴はどんだけ俺を煽んねん………。


「俺等も部署に戻るで、葵、興奮すんのは分かるけど、目の前のことに集中せぇよ」


何度も夢じゃないかとスマホを見つめる奴にそういったが、これは自分にも言い聞かせているようでもあった。


暫く業務をこなしていると、スマホに通知が来たことを知らせるバイブが鳴った。
開かずに確認すると、葵から俺を挑発するようなことが書いてあった。


たとえ好きでも人の彼女には手ぇ出す主義じゃないんで安心してください
もっとも、千羅さんが裏切ることがあった場合は別ですけど。


自分裏切るなんて、んなわけあるか、あほ
ライブ楽しんでな



すぐに既読がついて、浦島坂田船の日常のスタンプがリプとして送られてきた。
自分たちのスタンプが送られてきたのには正直驚いてしまった。
なんかこそばゆいな、こんなん。


というか今思ったけど、此奴仕事せぇや、何スマホ弄っとんねん。

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kne(プロフ) - 感動しました。 続き楽しみです。 (2021年9月28日 20時) (レス) id: ee34aec55d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:奏斗 | 作成日時:2020年2月12日 17時

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