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センラside

その言葉に心臓がどくんと脈打つ。

「大丈夫か……A?」

返事がない。寝言だったのか……。

反応してもうたやん、自分!!え、恥ずかしっ!

この娘魔性やな、恐ろしっ。……けど、憎めへん。

とりあえず、再び椅子に座りその顔を眺める。

先程とは違い、安心したような表情ですぅすぅ寝息をたててはる。

Aが笑えば嬉しくなり、Aが泣いていれば笑わせたい、笑顔を見せてくれと願う。

逢ったばかりの女性……やないけど、こんな感情を抱いたのは久し振りやな。

偽りでもいいから囁いて欲しい
少しでもいいから夢のような一時を過ごしたい

そんな風に愛を求めて綺羅花に赴く女性のために愛情を表現してきた。

でも、所詮は虚言……。自分の中で罪悪感が沸き上がる。そんな中で頂を取った。

どうせ、この娘に対しても……なんて思いながら何か変わるかもしれへんと何処かで期待してた。




__期待通りやった。

この娘に……Aに言った愛の告白まがいの言葉に嘘偽りはない。罪悪感なんてこれっぽっちも起きひんかった。

「ん……せ……ら……しゃん……。」

はっとなり、Aを見る。

今見てはるんは俺等の夢?それとも俺の夢……?

いや、どちらにせよ……

「A……お前っちゅう奴は……。ほんま心臓に悪いねん。無意識に俺を翻弄する。」

僕はそっと、Aの髪に触れる。

掬うと指の間からするすると零れ落ちていく。

「A。」

相変わらず気持ち良さそうに寝る彼女の手を取り、腕と掌にキスを落とす。

腕と掌へのキスの意味__。









__恋慕と懇願。

こんなに早く堕ちるものなのか、自分のことながら滑稽に思える。

その思いを上回る程に一喜一憂に振り回されることが楽しい。

……Mちゃうで!

なんて考えていると、ノック音が聞こえた。

「入るぞ。」

……うらさんや。もう終わらせて来とんかい。

そんな俺のツッコミは口に出さず、無言でいると、うらさんは部屋に入ってきた。

「なんだ、センラおったん。」

「ちょうど良かった。交代しましょか。」

俺は椅子から立ち上がり、うらさんに座るよう促し、部屋を後にする。

廊下を歩きながら、Aのことを考えていると不意に顔がにやける。

__惚れたら負け……か。

センラside end

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奏斗(プロフ) - ハクトさん» コメントありがとうございます!頑張ります!これからもご愛読のほど宜しくお願いします! (2020年1月9日 22時) (レス) id: 71101c4384 (このIDを非表示/違反報告)
ハクト(プロフ) - コメント失礼します!とても面白いです!更新頑張って下さい、応援しています! (2020年1月9日 21時) (レス) id: 9248964edc (このIDを非表示/違反報告)
奏斗(プロフ) - 名無し16825号さん» ありがとうございます!!そう言って頂けてとても嬉しいです!これからもご愛読のほど宜しくお願いします! (2020年1月9日 18時) (レス) id: 71101c4384 (このIDを非表示/違反報告)
名無し16825号(プロフ) - コメント失礼します!好みにヒットしました!これから頑張ってください! (2020年1月9日 17時) (レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:奏斗 | 作成日時:2019年12月31日 23時

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