ハート派のリーダー ページ24
目が覚めた時、見えた景色は
真っ赤な瞳だった。
「あ、起きた?」
なんて声が真上から聞こえる。
「………」
少しの沈黙とあと、
「…?!!!!?坂田さん!」
飛び上がると目の前の彼とおでこがぶつかる
「っ…!痛いなぁ!
せっかく倒れたとこを寝かせてあげてたのに」
頬を膨らます彼はハットを被っておらず赤髪が揺れていた
「ごっ、ごめんなさい…見苦しい姿を…」
「ええよー?その代わりうらたさんと何話してたか教えて?」
にこっ、と愛想の良さそうな彼が聞いてきたのは昨晩のうらたの部屋での話だろうか。
昨日は、、、、
思い出しただけで少し頬が赤くなるようなことと、
少し残った嫌な黒い塊が心の中で渦を作った。
「…なんか、特にはって感じです。」
「なんそれー??!なんかあったでしょ!!」
ぶーぶー!と野次を飛ばす彼は聞かせろ、とうるさいが
人に聞かせる内容でもないかな、と黙る
「…まあええけど。
しばらくしたら起きた方がいいよ。ご飯食べたら出てきー
明日はダーツだよー???」
だーつ、、、試合のことか。
「坂田さんの領土なんですか、ここ。」
ソファのようなところに寝かせられていたが、その部屋はうらたの自室のように狭くはなく、そして豪華でもなかった。
質素な、、休憩室、?なんて表現が正しいか
「んー?ここはユートピアの一角だよ〜」
「ゆーとぴあってなんですか…?」
ここにきて聞きなれない単語を何回聞いたことだろうか
「ユートピアって言うのは♡派の領土の別名なんやけどなぁ、
僕はここをホントにユートピアみたいにしたくてそう呼んどるんよ〜」
嬉しそうに話す坂田さん
「ユートピアって理想郷、でしたっけ?」
「そうそう!みんな自由で何やっても怒られない世界〜!
夢みたいやんなぁ!」
子どもっぽく喋る彼は私と同じくらいに見える。
「ユートピア、作れるといいですね。」
そんな彼を見てると自然と笑みが浮かぶ。
「…なぁ?作れればよかったんやけど
これ多分完成せんと思うで?」
そう言うとこちらに向き直す彼は
少しだけ憎悪を纏っているように見えた。
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カシューナッツ(プロフ) - せんぶり茶((こたぬきさん» 本当ですか…!良かったです;;考え方的にもいちばんクラブが穏やかですよねw (2020年5月10日 22時) (レス) id: ce13abbe74 (このIDを非表示/違反報告)
カシューナッツ(プロフ) - あかなさん» ありがとうございます…!続編もどうぞお楽しみください…! (2020年5月10日 22時) (レス) id: ce13abbe74 (このIDを非表示/違反報告)
せんぶり茶((こたぬき - すごく面白かったです!! 私はクラブ派だなー (2020年5月10日 12時) (レス) id: 8f7fc2a813 (このIDを非表示/違反報告)
あかな - 初めて小説で一気見してしまいました。。。本法に面白かったです。続編も楽しみにしてます! (2020年5月10日 1時) (レス) id: 538da1fbd2 (このIDを非表示/違反報告)
カシューナッツ(プロフ) - 澪華さん» わわっ!;; カジノだと普通のルーレットかなと思われると思っていたので気づいていただけてとても嬉しいです;; (2020年5月8日 1時) (レス) id: ce13abbe74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カシューナッツ | 作成日時:2019年10月9日 22時