秘密の月夜 [N.L] (1/2) ページ36
、
「あれ、ネビル。最近なにか変わったかい？」
「えっ？」
後ろから、ハリーが僕の顔を覗き込みながらそう声をかけてきた。
朝、目覚めたての顔を洗っていた僕は、目の前の洗面台の顔を見つめてみる。
鏡の中には、アホっぽく
ほっぺを触ってみても、ぱちくり瞬きをしてみても、どこも変わった様子はない。
(……あっ。)
でも、今日はいつにも増して寝癖がひどいかも。
「ううん……変わったかな？」
「ウン。具体的には言えないけど、変わったように見えるよ。ねえ、ロン」
「ん？なに？」
タオルでポンポンと顔の水気を取りながら、また自分を見つめ返してみる。
今日も変わらず、僕は僕だとしか思えないけれど、ハリーがいうのならなにか変わったのかも。
動いたせいでジャラリとこぼれてきた、三日月型のネックレスをしまいこむ。
ふと脳裏に浮かぶのは、闇夜に紛れてしまいそうなくらいの黒髪をもった"彼女"。
(今日は、いったいどんなお話を聞かせてくれるんだろうか。)
相変わらず僕の話を続けている仲の良いふたりをほうっておき、僕は大広間へと足を運んだ。
大広間には、すでにたくさんのひとが集まっている。
その中でも特別目立つ黒髪をもった美しい女子の周りにも、たくさんのひとが集まっていた。
名前はA。『レイブンクローの知識の泉』というあだ名を持つほどの才女だ。
その頭脳はきっと、ハーマイオニーに負けず劣らずだろう。
そんな彼女は、ぽつぽつと歩く僕を見つけると、人をかきわけてほほ笑みかけてくれた。
それを確認しただけで胸が高鳴り、一瞬にして幸せな気持ちに浸かる。
と同時に、「ああ、生きていてよかった。」とバカみたいに有頂天になるのだ。
彼女が僕から目をはなしたすきに、ニヤ気が止まらない口元をおさえ、急いで席につく。
目の前には、珍しくひとりでいたハーマイオニーがいた。
「恋の力ってすごいわね」
「うん、本当に……えっ！？」
驚く僕には目も呉れず、知らん顔でご飯に手を伸ばし続けるハーマイオニー。
そんなに僕はわかりやすいのか。
それなら、僕の気持ちなんてとっくに彼女にバレてしまっているのかもしれない。
恥ずかしい反面、それでも僕に微笑みかけてくれるということに嬉しさを感じ、
また底のない幸せの沼へとどっぷり浸るのだった。
→
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あきは(プロフ) - ユウさん» 初めまして、コメントありがとうございます。パスワードについてですが、当作品の説明欄にリンクと共に載せておりますので、お手数ですがそちらをご確認の上ご入力ください。ぜひ楽しんでいただけたら幸いです。 (2022年7月7日 23時) (
レス) id: e573973469 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - はじめまして、主様の作品を楽しませて頂いてます。フラワーバースの方も是非読みたいです。パスワードお願いします。 (2022年7月7日 22時) (レス) @page17 id: 8f5ef5ab64 (このIDを非表示/違反報告)
藍薇(プロフ) - はじめまして、主様の作品どれも素敵で何度も読ませて頂いています。フラワーバースの方もぜひ読みたいです！良かったらパスワードを教えていただきたいです🙇♀️ (2022年3月13日 11時) (レス) @page43 id: ea0f6320a6 (このIDを非表示/違反報告)
ラージ(プロフ) - はじめまして。どの作品も楽しませていただいております。兄妹のお話気に入りまして、フラワーバースのパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2022年2月19日 20時) (レス) @page17 id: dcf731a749 (このIDを非表示/違反報告)
みゆみゆ(プロフ) - はじめまして、主様のお話とても面白く大好きです！フラワーバースの方も是非読みたいです！！パスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします (2022年1月10日 0時) (レス) @page17 id: 205cd56e43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきは | 作者ホームページ：
作成日時：2017年11月23日 12時
