視線を独り占めしたい 【HP】

More Than You　[O.W]　(1/1) ページ21

、




「A、ケーキと僕、どっちのが好き？」



オリバーは定期的に、私にこう聞いてくる。
私を談話室にて、後ろからぎゅっと包むように抱き締めながら。
そして私は肩に顔を埋めてくるオリバーに体重を預けて、笑って言うのだ。



「オリバーが一番好きよ」



「ふふっ」と笑うオリバーの吐息が、首にかかる。
それに身をよじれば、オリバーは抱き締める手を強めてくるのだ。
私が彼の頭を撫でれば、さらに強まってくる。
どんどんオリバーの香りでいっぱいになって、私も幸せでいっぱいになる。

そのうちオリバーが一言も話さなくなるので、今度は私が訪ねてみる番。



「ねえオリバー」

「ん？」

「私とクィディッチ、どっちのほうが好き？」



そう聞くと、しばらくの間があく。
正直彼女としては、即答で「Aだよ」と答えてもらいたいのだが…。
いかんせん、彼はクィディッチ魂なのでそうはうまくいかないようだ。

オリバーが誤魔化すように私の頭を撫で始める。
(下手っぴ…。)
でもそれが気持ちよくって、思わず頬を綻ばせてしまうのだ。
私はつくづく単純である。



「両方好き、じゃだめかい？」



機嫌を伺うようにたずねるオリバー。
(そんな言い方されたら、だめ、なんて言いにくいじゃない…。)



「特別に許してあげる」

「ふふ、ありがとうA」




(というか、きみとクィディッチは比べられないね)
(じゃあ、オリバーとケーキも比べられないわ)



、

▽
彼氏といちゃいちゃなんて無理だと思いながら書きました。
やっと短いお話がかけましたが、その分中身が薄いような…。

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