35話 ページ43
エーデルローズ
仁「コスモ、君に聞きたいことがある。」
コスモ「なんでしょう。」
仁「最近、悩んではいないか?」
コスモ「!?」
仁「他のものを騙せても私は騙せないよ。」
仁「さあ、話してみなさい。」
コスモ「実は、友達関係で悩んでいたんです。」
仁「?君にはベルローズの3人とヒロと仲良くしていますよね?なのになぜ?」
コスモ「私には同い年の競い合える仲間がいない。それに、私くらいすごい選手もいない。」
コスモ「孤独なのは分かっていました。けれどここまで差が開くと悲しくなってくるんだなって。」
仁「そうか。」
コスモ「急にすみません。忘れてください。」
仁「…。コスモには家族はいるのかな?」
コスモ「家族…。」
仁「むりに答えなくていい。それぞれ家庭で色々あるだろう。」
コスモ「違います。」
仁「違うって何が違うんだ?」
コスモ「私には家族がいません。両親が天国に行ったわけでもなく、最初からいません。捨て子でもありません。」
仁「どう言うことだ?」
コスモ「すみません。詳しくは言えません。」
仁「そうか。悪いことを聞いたな。」
コスモ「いえ。でも双子の弟がいました。どこにいるのかわかりませんが。」
仁「そうか。」
仁「ちなみにその双子の弟はどんなやつなんだ?」
コスモ「とても優しくて私のことを慕ってくれるいい子でしたよ。」
コスモ「でも、あの子は私が5歳の頃にどこかに行ってしまった。探しても探しても見つからなかった。ニュースにも出てこない。だから私はずっと待ち続けます。」
仁「…。偉いなコスモは。」
コスモ「いえ。なのでもし弟が戻ってきたら、張り合えるライバルになってくれると思います。」
仁「私も君の弟が帰ってくることを願おう。」
コスモ「ありがとうございます。」
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作者名:コスモ | 作成日時:2020年1月14日 0時