来店 ページ29
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からんからん
子気味の良い音が店内に鳴り響いた。今日も平々凡々と、此処、喫茶〈
店の看板娘、冥途Aは大きな欠伸を零した。今の音は、客が帰った音だ。昼と夜の真ん中、黄昏時はいつも暇である。Aは店内をぐるりと一周してから、ソファのある客席にストンと座った
『 はあ…暇ですね〜 』
「 そうだね
…でも、 」
カウンターの奥にいる店長は、今日も今日とて珈琲と真剣に向き合っている。Aの言葉にふふ、と笑みを零して続けた
「 でも、もう少しでAちゃんのお客さんが来るよ 」
『 ？
それはどういう 』
からんからん
ドアのベルの音が鳴り響いた。今度こそ来店を知らせる音だ
未だ店長の言葉に疑問を持っているAを、出迎えてきなさい、と優しく諭す店長。渋々扉の方へ向かうと知ってる顔があった
…2つも
『 あれ、敦くんに龍之介くん 』
「 ッAさん！！ 」
「 A！貴様何故人虎にも敬語を崩している！？やつがれだけではなかったのか！！ 」
「 それはこっちの台詞だ！何故お前も…！嗚呼もう！喧嘩しに来た訳じゃないんだぞ！？ 」
それは中島敦と芥川龍之介の顔であった
初見の人でもわかるであろうこの仲の悪さ。Aは一人関心していた。喧嘩の原因は主に彼女のはずだが、当の本人はいつも通りふわふわと笑っている
最早取っ組み合いになりかかっている喧嘩の終幕は、敦の一言だった
「 あ、こんな事しに来たんじゃない！Aさん！ 」
『 なあに？ 』
「 ウッかわいい… 」
急に名前を呼ばれても素敵な笑顔で返せるA。そんな彼女にもう酷くご執心である敦は胸の当たりを抑えて「 流石Aさん…敵いません…… 」と零した( 何やら横の芥川にも被弾したようで顔がキュッとしている )
「 ッ…ぁの、この前、助けていただいてありがとうございましたッッ！！ 」
『 …この前 』
勢いのまま本来の目的をこなす敦。だが彼女はなんの事か分かっていないようであった。この前？この前ってなんだっけ？Aを人差し指を顎に当ててうーんと唸った。それでさえも様になるその姿に、敦も芥川もやられない訳がなかった
・
つづきます
終わり
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零桜 - すっ、好き…冥途ちゃん。はわ、可愛い。更新待ってます！ (9月18日 8時) (
レス) id: fe567fe024 (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - アァ‼︎終わらんとってぇ〜‼︎ (2022年12月7日 21時) (レス) @page29 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - 続き待ってますぅ！！ (2022年6月9日 16時) (レス) @page29 id: 41724ba062 (このIDを非表示/違反報告)
アジフライのカス - え、え、え??か、可愛い…え?好き…お、?面白い…好き!!!!!! (2021年12月1日 17時) (レス) @page15 id: fb2299d8e5 (このIDを非表示/違反報告)
もちのあじ(プロフ) - オープニングが素敵すぎる…！！主人公も魅力的だし、これからが楽しみです！頑張ってください〜！ (2021年11月23日 22時) (レス) @page3 id: f3a193ffbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷぷ | 作成日時：2021年11月22日 1時
